台湾人少女に謝罪を強要。中国が致命的な墓穴を掘った台湾総統選

 

国民党はまた、投票所の増設、投票箱のすり替えなどなどいくらでも不正を働いてきました。勝敗を決めるのは、「買票(票を買収する)作票(不正を働く)」かのどちらかでした。

ところが、今回の選挙では蔡英文が勝利しました。なぜなら、「買票」も「作票」もできなくなったからです。投票所内には不正をチェックするボランティアスタッフが数人配置され、誰もが不正を許さないムードが社会に広がっていました。誰もが民主主義を強く意識し、ボランティアには学生の姿も多く見かけられました。国民党離れが時代の流れとなったのです。

4年前の総統選挙では、33万の無効票が出ました。それは蔡英文の票でした。もし、不正がなかったら蔡氏は4年前に総統になっていたはずです。だからこそ、前回敗れた際に蔡英文は、かの有名なセリフである「可以哭泣、不要放棄!! (泣いてもいいが諦めてはいけない)」と訴えることができたのです。

今後、蔡英文政権が直面する課題はじつに多くあります。政治、軍事、経済、外交、社会、そしてそれ以外に公に知られていない問題もいくつもあります。たとえば、台湾のブラックマネーはGDPの約40%に及ぶという説もあります。

2000年の政権交替では約6兆台湾元、2004年には2兆4,000億台湾元という巨額が、国民党高官などによるマネーロンダリングやキャピタルフライト(資本逃避)のためのブラックマネーとして動いたといわれています。

また、噂によると馬英九政権での財政赤字は22.5兆台湾元(約100兆円)にものぼり、蔡英文政権は日本に頼るしか道はなく、台湾の中国離れは避けられないとも言われています。実際、台湾の苗栗県では、公務員の給料の支払いが遅延し、払えなくなっています。中国の地方政府とよく似ています。

国民党が持つ党の財産は、すべて政府や民間から巻き上げたものです。それを政府に返還させるかどうかは、これからの政治課題ですが、これまで国民党は世界一金持ちの政党で知られていました。

陳水扁時代の内部調査では、8,400億元から200億元ほどの財産があったようです。実際の財産はどれだけあるのか不明ですが、とにかく莫大なものであることは確かです。台湾の財政問題の解決は、新政権にとって急務となるでしょう。

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image by: Wikimedia Commons

 

黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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