【書評】1冊で敬語の極意を79個も学べる「虎の巻」のすごい内容

 

「○○できません」でクレーム倍増!?

という見出しで、簡単な事例が紹介されています。「いたしかねます」「できかねます」への言い換え、「大変恐縮ですが」「あいにくと」などの、クッション言葉との併用例も、うまく説明されていますね。

P193の「即断回避のテクニックとは?」では、

「一度社に持ち帰って、上司と相談したいと思います」
「わたしの一存では、なんとも申し上げかねますので…」

などの先送りフレーズとともに、

「○日ほどお時間をいただけないでしょうか」
「○日にはご返事を差し上げますので」

といった期間を区切るという、クレームでも使える、少し高度なテクニックも紹介されていました。

また、第4章、第5章では、電話とメールでの誤用の実例、よりベターな表現が解説されます。P206では、

「お戻りになられましたら、お伝えください」

実は、これもNG表現なのですが、正解は、

「お戻りになりましたら、お伝えください」

なんです。お恥ずかしながら、わたし、結構これは言っちゃってますね。

P220の「不要な営業電話の撃退術」などは、社会人になって、しばらく経っている人でも、なるほど、と思えるものではないでしょうか。

こちらの書籍、実は敬語に特化した本ではなく、社会人としてのコミュニケーションのとりかたや、マナーについても、多くページが割かれています。また、ヒトコマ漫画形式の挿絵も多めで、内容に即していて、ちょっとニヤッとできて、いい味出してますよ。

新卒が読む敬語の教科書なのでしょうが、敬語に慣れてきたり、中堅に差し掛かっている人が、クセを矯正したり初心を思い出す効果が期待できます。

名刺は、こちらから差し上げるもので、相手の好意でいただくものというところは、個人的に目からウロコでした。社会人としての基本的なマナーや、コミュニケーション力、ことばづかいに自信がない方は、一読しておくと、かなり勉強になるのではないでしょうか。

image by: Shutterstock

 

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