【書評】コロンビア大学教諭が教える、仕事効率を上げる脳の使い方

 

気になった部分を具体的にあげてみます。

私たちが毎日していることの大半は習慣に導かれて機械的に行っていて、ほとんど意識する必要もないのです。それは決して悪いことではありません(中略)問題なのは、次に何をすべきか深く考えもせずに、あるタスクから次のタスクにさっさと移る場合が多いことです

何に取り組むべきか時間をかけて考えて判断した結果、自分にとって重要な仕事か、もしくはその時間に見合った仕事をきっとあなたは選んだことでしょう。それとは反対に「効率的」になろうとして、この決断の瞬間つまりこの「非生産的な」時間をスルーしたらどうなるでしょう。取るに足らない仕事か、その瞬間に適さない仕事をするのは目に見えています

感情は、たとえ不安などのマイナスに思えるものでも、目の前の仕事にやる気を出し、集中するためのすばらしいツールになります

あなたの脳が小さな決断をたくさんして疲れる前に、もっとも重要な仕事を朝いちばんに終わらせましょう

私たちの仕事は集中力を必要としますが、それでも脳は気を散らすよう配線されています。ですから、仕事をうまくこなすとびきりの戦略は、必要以上に私たちの気を散らす要因を取り除くことです

社員が定着しない大きな理由のうちの1つが「人事評価への不満」があります。例えば、次のような2人の社員がいたとします。みなさんだったらどちらを評価するでしょうか。

社員Aさん:業務評価100点、残業0時間/月
社員Bさん:業績評価80点、残業50時間/月

これは誰が考えてもAさんですよね(なぜかは言うまでもないので省略します)。では、次の場合はいかがでしょうか。

社員Aさん:業務評価80点、残業0時間/月
社員Bさん:業績評価100点、残業50時間/月

これは、Bさんが多いでしょうか。ただ、時間単価で考えると、もしかしたらAさんという意見もあるかも知れません。では、最後です。

社員Aさん:業務評価100点、残業0時間/月
社員Bさん:業績評価100点、残業50時間/月

これは、正解を言います。評価されるべきは、議論の余地はまったくなくAさんです。ただ、もしかしたらここでBさんのほうを評価する会社もあるかも知れません。「Bさんはいつも遅くまで頑張っているから」、同じ業績なら「遅くまで頑張っている」Bさんを評価するという理屈です。これでは、本当に優秀な社員は定着しません(なぜかは言うまでもないので省略します)。

この本の題名のように「2時間しか働かない」は極端ですが、時間を効率的に使い、確実なアウトプットをしていく社員をいかに育成していくかは、今後の会社にとって非常に重要なことでしょう。ただ、それに対する正当な評価も同時に行っていく必要があります。

時間効率を考えるすべての人にオススメの本です。

image by: Shutterstock 

 

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