資金はTPP構想では既存のアジア開発銀行(ADB)で集めるとしているが、アジアインフラ(AIIB)構想の方は、中国が独自に投資判断を行える400億ドル(約4兆8,000億円)のシルクロード基金をつくり、まずパキスタンの水力発電所を決めたという。
今後はADBとAIIBがどれだけ資金を集められるか、が成否のカギとなってこよう。アジアでとんでもないインフラ投資、資金集めが展開されることになるが、その中心的存在は中国と日本である。これらの構想と資金集めは間違いなくアジア発展の起爆剤となるが、資金やプロジェクトの争奪戦となれば共倒れの可能性が出てこよう。
逆に日本と中国、アメリカが協調して仕事と資金を分けあえば、とんでもない宝の山、それもアジアのみならず西南アジア、東アフリカなどにも大きな恩恵を与え、世界経済の牽引役になってゆくことだろう。つまらぬ日中の小競り合いや競争を捨て大きな構想で事にあたって欲しいものだ。
image by: 首相官邸
『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』
ジャーナリスト嶌信彦が政治、経済などの時流の話題や取材日記をコラムとして発信。会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会やウズベキスタンの話題もお届けします。
<<登録はこちら>>
ページ: 1 2