メルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』の著者でジャーナリストの上杉隆さんが、「ニュースオプエド」と「淳と隆の週刊リテラシー」で鈴木宗男氏と対面。次の選挙で自民党候補の推薦を決めた新党大地の戦略を伝える中、鈴木氏はどうしてもある男の動向が気になっていたそうで……。
首相官邸の甘いケーキ 鈴木宗男と小沢一郎
鈴木宗男さんがゲストだった。
「ニューズオプエド」に出演してもらったばかりだったが、北方領土の日(2月7日)も近く、また、北海道5区の補選で、新党大地が自民党候補を応援するということもあり、「淳と隆の週刊リテラシー」に来てもらうことになったのだ。
「共産党とはね、絶対に一緒にやれないですよ。共産党と一緒になっての選挙活動とか、政治活動とかは、私以上に、娘の鈴木貴子の方が厳しいですよ」
鈴木宗男さんの率いる新党大地は、民主党と国会で統一会派を組んでいる。
しかも、鈴木さんの長女で衆議院議員の貴子さんは民主党所属の国会議員だ。
2012年、新党大地と民主党は統一会派を組み、2014年の総選挙では北海道のすべての選挙区で選挙協力を行うという蜜月関係にあった。
ところが、次の選挙では、新党大地は自民党候補の推薦を決め、両党の関係は終焉を迎えることが決定的になったのだ。
せっかく培って来た良好な関係を壊してまで目指すものとは一体なにか?
「反共の政治家」中川一郎元農水大臣の秘書だった鈴木さんの共産党嫌いはよくわかる。
だが、それならば、かつてのように地域政党として是々非々の立場を貫けばいいだけの話だ。転じて、安倍政権への急接近は、どう考えても理屈として成り立たないだろう。
「安倍総理とはですね、必ずやると話したんですよ。ロシアとの北方領土問題、そしてTPPなんかも必ずと話したんですよ。だから協力するんです」
2015年12月28日、鈴木さんの姿は首相官邸にあった。ケーキを食べながらの会談中、安倍首相の方から「お嬢さんも…」と話を向けられたという。
その途端、鈴木さんはケーキをネクタイの上にこぼしている。身内の話に動揺したのだろう。
現在、所属国会議員ゼロの新党大地が生き残るために、いや、はっきり言えば、鈴木親子が政治的に生き残るために、鈴木さんは安倍首相のもとを訪れたのだ。
そして、当然ながら、参院選を控える自民党も北海道で集票力のある新党大地を使いたい。
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