どん底の中国経済、それでもバブルが崩壊しないのはなぜ?

 

なぜバブル崩壊の危機

しかし、中国経済がなぜバブル崩壊の危機になるのであろうか? 2008年のリーマンショックで、中国は52兆円という財政出動をして、インフラ整備を行う。このインフラに供給する資材を製造するために、過剰生産になってしまった。この過剰な生産設備を破棄することと、雇用を守るために新しい産業を育成していく構造改革が必要になっている。

しかし、この2008年から始まる生産設備投資のために、多額の借金を地方政府と企業はしている。この借金の返済が必要になっている。しかし、地方政府と企業の借りた資金量がGDPの約2倍という規模になっている。

米国やその他のバブル崩壊時の借金量より格段に大きいのである。それなのに、逆になぜバブル崩壊しないかというと、人民銀行が大量の資金を地方政府や企業に市中銀行経由で貸出しているからである。運転資金があるということだ。

しかし、利益を生まない設備の廃棄をすることが重要であるが、設備廃棄は雇用解雇でもある。この雇用解雇は、鉄鋼業だけで160万人、その他を含めると300万人にもなる。

今まで、地方政府は賃金上昇を企業に指導していた。このため、繊維・雑貨などの産業は企業競争に負けて衰退している。その上に、重化学産業の廃棄をすると雇用の確保ができないことになる。このため、地方政府は抵抗している。

もう1つ、人民元をドルとリンクしているので、ドルが上昇すると人民元も上昇することになる。ここでも企業競争力が衰退しているのである。

しかし、AV系、スマホ、インターネットやドローンなどの分野である最先端技術の商品で中国は実力を上げている。しかし、部品は日本や韓国から買っている。

というのが現状の状態である。

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