イラン敵視、北朝鮮放置の真因
理由はいろいろありますが、とりあえず3つ挙げておきましょう。
1.石油・ガス利権確保
03年、理不尽な「イラク戦争」がはじまりました。なぜ「理不尽」なのか?アメリカが「開戦理由」にあげた2つ。すなわち、「フセインはアルカイダを支援している」「大量破壊兵器を保有している」は、共に「ウソ」だった。では、「本当の理由」はなんだったのでしょうか?FRBのグリーンスパン元議長は、こんな告白をしています。
「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露
[ワシントン17日時事]18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。
(2007年9月17日時事通信)
「石油利権で戦争を起こすなんて!」
日本国民には、理解できませんね。そうは言いますが、日本がアメリカとの開戦を決意したのも、「ABCD包囲網」で「石油が入らなくなったから」です。
アメリカの場合、当時「2016年に自国の石油が枯渇する」という予測が出されていました。それで、世界中の「石油利権確保」にヤッキになっていたのです。原油埋蔵量世界4位、天然ガス埋蔵量世界1位のイランがターゲットになったのも理解できます。
2.「ドル基軸通貨体制」防衛
アメリカがイラクを攻めたもう1つの理由は、フセインが2000年11月、「イラク原油の決済通貨をドルからユーロにかえたこと」といわれています。06年4月17日付の毎日新聞。
イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユーロに転換した。国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。
米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある
実をいうと、イランも、「原油の決済通貨をドル以外」にかえています。
イラン、原油のドル建て決済を中止[テヘラン 8日]
イラン学生通信(ISNA)は8日、ノザリ石油相の話として、同国が原油のドル建て決済を完全に中止した、と伝えた。ISNAはノザリ石油相からの直接の引用を掲載していない。
ある石油関連の当局者は先月、イランの原油の代金決済の「ほぼすべて」はドル以外の通貨で行われていると語っていた。
(2007年12月10日ロイター)
イランも、フセイン時代のイラク同様、「ドル基軸通貨体制」を崩壊させる動きをしていた。
3.イスラエル防衛
イランは、イスラエルにとって最大の仮想敵です。そして、イスラエルロビーは、少し前までアメリカで最強だった。それで、アメリカもイランを敵視していた。
3つ、アメリカが北朝鮮よりもイランを敵視していた理由をあげました。イラン、核兵器開発をしていないかもしれませんが、アメリカには、他に「攻撃したい理由」があったのです。それで、北朝鮮は、事実上放置されてきました。