無慈悲な核攻撃宣言。北の「オオカミ少年」が無視できなくなってきた

 

第2次朝鮮戦争は、米中戦争に転化する?

もし「第2次朝鮮戦争」が勃発すれば、それは、韓国と北朝鮮の戦争では終わりません。米中戦争に発展する可能性も出てきます。

「そんなバカな! 米中共に、『核超大国』ですぞ!」という反論がでるでしょう。しかし、核超大国の米ロは、あちこちで「代理戦争」を繰り返しています。

まず08年8月の、「ロシア─グルジア戦争」。グルジアのサアカシビリ大統領(当時)は、「アメリカの傀儡大統領」として知られていました。

14年~15年の「ウクライナ内戦」。これは、アメリカが支援するウクライナ政府と、ロシアが支援する「東部親ロシア派」の戦いでした。

11年から始まり、今年2月に「停戦」に至った「シリア内戦」。ロシアはアサド政権を支援し、アメリカは「反アサド」を支援していました。

こういう例を見ると、「核大国同士の代理戦争は起こらない」とは決していえません。実際「しばしば起こっている」のですから。しかも、「第2次朝鮮戦争」が起これば、「代理戦争では終わらないでしょう。なぜなら、アメリカにとって韓国は、グルジアやウクライナと違い「軍事同盟国」だからです。

つまり、第2次朝鮮戦争が起これば、アメリカ韓国対中国北朝鮮となってしまう。このことが、アメリカと中国にとっては、「戦争を回避したい動機」になることでしょう。

しかし、北朝鮮が始めてしまえば、アメリカも韓国を見捨てるわけにはいかず参戦ということになります。そうなると、日本も、「集団的自衛権」を行使することになり、アメリカと韓国の支援をすることになるでしょう。ですから、戦争阻止のためにできるかぎりのことをしていく必要があるのです。

 

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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