その結果どうなったか?
学校が負けました。その理由の1つが、その契約期間を「1年の有期契約」ではなく「試用期間」と判断されたことです。試用期間であれば、その後も雇われることが前提なので、1年で終了するのは違法ということになります。
なぜ、そう判断されたのか?
それは、「期間を設けて雇用した場合は、その設けた目的が、労働者の適性を判断するためのものであるときは、その期間は試用期間であると判断すべきである」とされたからです。
採用の際に「1年間の勤務状況をみて、再雇用するかを判断します」という言葉があったのがその根拠になりました。このように、雇用期間を1年とする契約書を交わしていながらも、その内容よりも実態を優先した判断がされているのです。
ここまでのお話で、「試用期間=2ヶ月の有期契約」はほぼ認められないことがわかるでしょう。むしろ、その状態で調査が入れば、一発で是正勧告、裁判になれば、ほぼ勝ち目はないでしょう。
そのようにしている会社には入社後2ヶ月の退職率が非常に高いためにそうしているというところもあります。そのため、少しでも無駄な出費を控えたいという気持ちはわからないでもありません。ですが、ただでさえ退職率が高いのにさらに雇用条件を悪くして、それが改善されるでしょうか?
無駄な出費はもちろん極限まで削るべきですが、社員の定着や満足度も考慮して行うべきではないでしょうか。
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企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。
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