次の消費税増税で日本経済完全終了。なぜ引き上げが「最悪」なのか?

 

なぜ消費税引き上げは「最悪」なのか?

昔からの読者さんは、ご存知ですが。私は、大昔から「消費税引き上げに反対してきました。2013年11月30日発売の『日本自立のためのプーチン最強講義(集英社インターナショナル)』では、「消費税引き上げ阻止」のために、1章丸々さいています。「なぜ消費税をあげたらダメなのか?」一部引用してみましょう。

消費税増税で日本経済はどうなる?

 

みなさんご存知のように、民主党の野田内閣は現在5%の消費税を、2014年4月から8%、15年10%まで引き上げることを決めました。その後の自民党・安倍政権も事実上これを踏襲しています。ここまで読まれたみなさんは、この「消費税倍増計画」が、日本経済に落とされる「原爆」であることをご理解いただけるでしょう。

 

消費税が上がったら、みなさんどうします? そう、「買い物」(消費)をひかえますね? 消費が減ると、物をつくっても売れないので「生産」を減らします。物やサービスが売れなくなれば、企業の売り上げと利益は減り、「所得」が減ります。すると企業は、給料を減らしたり、リストラをするでしょう。そのために当然、個人の「所得」も減ります。所得が減るということは、手元に残るお金が減るということで、個人も企業もさらに「消費」と「投資」を減らすでしょう。こうして、不景気のスパイラルはさらに加速度を増し、日本経済を奈落の底に突き落とすことになるのです。

 

野田さんは、「財政再建」を目指して、「不退転の決意」で消費税増税を目指していた。安倍政権も同じ。しかし、その意図とは正反対のことが起こる可能性が非常に高いのです。

 

図にしてみましょう。現状は、

 

● 消費減→生産減→所得減→(以下同じプロセスのくり返し)

 

ここで、「消費税引き上げ」が行われます。

 

● 消費減→生産減→所得減→「消費税引き上げ」→消費激減→生産激減→所得激減→(以下同じプロセスのくり返し)

 

はたして、これは私だけのファンタジーでしょうか?

 

大部分の人は、「減税したら税収が増える」ということを考えもしなかったでしょう。しかし、アメリカ、イギリス、ロシア等で過去にそういう事例があることを知れば、否定できなくなります。

 

では一方、「増税の影響」についての事例はあるでしょうか? 実は、「消費税を上げたら、景気も財政も悪化した例」は、日本にあります。

 

日本に消費税が導入されたのは、1989年のこと。当時、税率は3%でした。バブル最末期で、翌年にはバブル崩壊がはじまっています。しかし、これは既述のように不動産売買の「総量規制」が原因と考えられ、消費税導入と景気の相関性がよくわかりません。

 

消費税が5%に引き上げられたのは、1997年のことです。それで、どうなったか?

 

まずGDPが以後、全く増えなくなりました。日本の名目GDPは、バブルが崩壊した1990年、約440兆円でした。しかし、その後もGDPは少しずつ増えていたのです。

 

91年…468兆円

92年…480兆円

93年…484兆円

94年…486兆円

95年…493兆円

96年…504兆円

97年…515兆円

 

数字を凝視してみましょう。GDPは確かに増えています。97年に消費税が引き上げられた後はどうでしょうか?

 

98年…504兆円

99年…497兆円

00年…502兆円

01年…497兆円

02年…491兆円

03年…490兆円

04年…498兆円

05年…501兆円

06年…508兆円

07年…515兆円

09年…494兆円

 

消費税引き上げ前と後で、違いは明らかでしょう。それまで、GDPは緩やかな増加を続けていた。引き上げ後は、500兆円をはさんで、増えたり、減ったり。

 

ところで、肝心の税収は増えたのでしょうか? 消費税が引き上げられた翌年の98年、消費税収は96年比で4兆円増加しています。しかし、所得税収は2兆円、法人税収は3兆円と、それぞれ減少。結局、税収全体で見ると、1兆円減るという結果になりました。その後も、「消費税増税」で財政状態が好転するどころか、借金が雪だるま式に増加しているのは、みなさんもご存知のとおりです。

 

普通の人は、「だから増税しなければ!」と考えますが、経済はそう単純ではなく、「増税したら税収が減った」事例がそんなに遠くない過去にあったのです。

 

ちなみに私は「いつでもどこでも増税に反対」というわけではありません。景気が過熱気味のときは、増税によって、それをおさえることも必要でしょう。

print
いま読まれてます

  • 次の消費税増税で日本経済完全終了。なぜ引き上げが「最悪」なのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け