まるで孔明の罠。習近平が「反日戦略」を方向転換してきたワケ

 

中国、最重要戦略は、「日米分断」

では、どうやって、アジアの覇権、ついで世界の覇権を得るのか?

これ、簡単で、まず日本を叩き潰す

日米を分断し、日本が米国債を買わなくなれば、アメリカをつぶすことも容易になるでしょう。それで、2012年11月、中国はモスクワで、ロシアと韓国に「反日統一戦線構築」を提案した。

毎回書いていますが、その骨子は、

  1. 中国、ロシア、韓国で、【反日統一戦線】をつくろう!
  2. 日本には、北方4島、竹島、そして【沖縄】の領有権もない(つまり、沖縄は【中国領】である)
  3. 【アメリカ】を反日統一戦線に引き込もう

どれもすごいですが、特に3番目は重要です。

この戦略に沿って、中国は、全世界、特にアメリカで大々的に「反日プロパガンダ」を展開してきた。安倍総理訪米前に、アメリカ政府から、「議会演説では中韓にきっちり謝罪しろ!」と圧力がかかるほど、プロパガンダは浸透していた。

ところが、3月に(日本以外の親米国が全部アメリカを裏切った)「AIIB事件」が起こった。これで、アメリカは、「わが国最大の脅威は、ロシアではなく中国である」と理解した。そこに安倍総理がやってきて、「希望の同盟」演説をし、日米関係は非常に良好になった。

これで、「反日プロパガンダ」による「日米分断工作」はいったん挫折したのです。

しかし、「戦略」は不変

いままで、アメリカに日本の悪口をいいつづけることで、日米分断をはかってきた。

それがうまくいかなかったらどうするか? 別の方法を考えればいい。

たとえば、日中関係を改善する。

するとどうなります? 実を言うと、結果は同じ「日米分断」になるのです。

たとえば、鳩山ー小沢政権のとき、日中関係はとてもよかった。それで、日米関係はどうなりました? そう、「戦後最悪」になった。

「日本の悪口を、アメリカにいいつづける」

「日本との関係をよくする」

この2つは全然違うように見えますが、「戦略」からみると、「まったく同じこと」なのです。何が違うかというと、戦略を達成するための【作戦】が違う。

>>次ページ 日本が取るべき「対抗策」とは?

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