まるで孔明の罠。習近平が「反日戦略」を方向転換してきたワケ

 

大国の言動は「戦略」にそっている

皆さん、人生に「戦略」ありますか? 「戦略」はなくても、少なくとも「目標」はありますか? その「目標」を達成する「目的」ははっきりしていますか?

ひょっとしたら、あなたには、「目標」も「目的」も「計画」もないかもしれません。しかし、あなたの「会社」には「目標」があるでしょう? その目標を達成するための「計画」もあるでしょう? なかったら、そうとうヤバいですね。

国家だって同じです。

自分の国を「こうしたい」という目標があって、計画をたて、それにむかって前進していく(日本は、しばしば「行き当たりばったり」なので、他国の行動が理解できない)。

では、中国の目標ってなに?

まずは、日本に勝って「アジアの覇権国」になることでしょう。

こちらをごらんください。

習近平主席:太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間 Bloomberg 5月18日(月)10時54分配信

 

(ブルームバーグ):中国の習近平国家主席は17日、ケリー米国務長官に対し、米中双方は両国の関係に影響しない形で意見の相違を管理する必要があると述べた。

 

米国は中国による南シナ海への進出について自制を促している。

 

国営新華社通信などによれば、習国家主席は人民大会堂でケリー国務長官と会談し、両国の関係は「全体的に安定している」と評価。

 

「両国の新たな関係は初期の成果を得ている」と述べた。

 

さらに、「広い太平洋は中国と米国の両国を受け入れる十分な空間がある」とも語った。

これって、「中国は太平洋の東半分を支配する。アメリカ西半分を支配するってことでどう?」といっているように感じますね?

歴史をみれば、

  • スペインとポルトガルの覇権争い
  • スペインとオランダの覇権争い
  • オランダとイギリスの覇権争い
  • イギリスとフランスの覇権争い
  • イギリスとドイツの覇権争い
  • アメリカとソ連の覇権争い

など、ナンバー1とナンバー2は常に覇権争いをしてきました。だから、中国だけが例外になって、「覇権争いをしない」と考えるのは、「平和ボケ」なのです。

まず、「アジアの覇権」を奪い、そしてアメリカを蹴落として「世界の覇権を狙う」ということでしょう。

アメリカのリベラル派は、「いや、中国はアメリカがつくった世界秩序の中で台頭したいだけ。アメリカの脅威にはならない」といっていた。しかし、「AIIB」を見て、中国は明らかに、「アメリカとは別の世界秩序をつくろうとしている」ことに気がついた。

それで、アメリカのリベラルも、慌ててるのです。

>>次ページ 中国の最重要戦略とは?

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