まるで孔明の罠。習近平が「反日戦略」を方向転換してきたワケ

 

では、日本はどうするべきか?

日中関係については最近、アメリカに利用されないよう、「中国を挑発するな」という記事を書きました。 そしたら、今度は中国がすりよってきた。日本はどうすればいいのでしょうか?

これは簡単で、アメリカに、「中国がこんなこといってきましたが、どうしたらいいでしょうか?」ときけばいいのです。

「やはり、北野は『従米主義者だ!!!』」

こんな意見も出ることでしょう。

しかし、私たちの目標は、あくまで「アメリカを中心とする中国包囲網の形成」でしょう? 日本としては、アメリカに利用されて、「日本 対 中国」の対立構造になりたくない。

そのためには、「いつもアメリカが主人公」でいてもらったほうがいいのです。これは日本が主体的に、「アメリカを主人公にする」のですから、まったく「従米」ではありません。

日米関係をさらに「盤石」にするために

それに、日米関係は、AIIB事件と安倍総理の米議会演説でよくなったとはいえ、「強固」「盤石」というには、ほど遠い状況です。

日本は、わずか2年半前まで「反米親中」民主党が政権にあった。

そして、安倍総理も、4月末まで、「右翼」「軍国主義者」「歴史修正主義者」と思われていた。

もし日本が、アメリカを味方につけて中国に圧勝しようとすれば、「日米関係をさらに強化する」言動をとっていく必要があります。

そのために必要なのは、「一貫性」です。

台湾は、1年365日、しかも何十年も「日本が好きです!」といいつづけている。つまり「一貫性」がある。だから、日本人は台湾が好きです。

しかし、中国は、「反日統一戦線をつくろう!」といったり、「仲良くしよう」といったり、全然一貫性がない。だから、信用できない。

日本も、少なくとも中国が沖縄侵略をあきらめるまでは、一貫して「アメリカが好きです」といいつづけなければなりません。安倍総理も、毎日オバマさんに電話して、「報連相」するぐらいでちょうどいいのです。

image by:Wikimedia Commons

『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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