安倍首相は「中国」連呼。G7エルマウサミットは成功だったのか?

 

しかし、日本は正しい道を進んでいる

「世界情勢」を見るときは、「2つの視点」がとても大事です。

1つは、「世界的」に「広く見る」ことです。

2つ目は、「歴史的」に「流れを見る」ことです。

つまり、「過去はどうで、現在はどうで、未来はどうなっていく」という、方向性を見る。この2つの視点で、日本の現状を見てみましょう。

2012年9月、日本政府は、尖閣を「国有化」しました。中国政府も中国民も大激怒し、超大規模な「反日デモ」が起こった。2012年11月、中国は、モスクワで「対日戦略」を明らかにしました。

その骨子は、

  • 中国は、ロシア、韓国と【反日統一共同戦線】をつくる
  • 日本には、「北方4島」「竹島」、そして【沖縄】の領有権がない
  • 「反日統一共同戦線」には、【アメリカ】も入れる

(●驚愕の対日戦略、詳細はこちら。 )

この戦略にそって、中国は、全世界で大々的に「反日プロパガンダ」をしていった。

そして、2013年12月26日に、安倍総理が靖国を参拝すると、世界的大バッシングが起こったのです。安倍総理は、中国の思惑どおり、「右翼」「軍国主義者」「歴史修正主義者」とレッテルをはられ、日本はとても孤立していた。

ところが、2014年3月、ロシアがクリミアを併合したことで、日本は救われました。アメリカは、日本と欧州を巻き込んで、「対ロシア制裁」を課す必要がでてきた。

このとき、中国は、はっきりとロシア側につき、世界は、「日欧米 対 中ロ」という構図になった。これが2014年3月以降の状態。

ところが、2015年3月に「AIIB事件」が起こった。これで、欧州は、グッと中国よりになった。そして、アメリカの主敵は、もはやロシアではなく、中国になったのです。

現在、世界は、「アメリカ 対 中国」の「覇権争奪戦」を中心に動いています。日本は、はっきりとアメリカ側についている。

ロシアは、中国側についていますが、アメリカの視線がロシアから中国に移ったことで、「ホッ」としている。

欧州は、アメリカと中国の間を、フラフラしている

こういう流れを「時系列」で見ると、日本のポジションは、ここ2年でずいぶんよくなりました。

中国は、「日本を孤立させ、中国、アメリカ、ロシア、韓国で袋叩きにしてやろう!」と画策していた。しかし現在、中国自身が、「世界でもっとも悪い国」になっている。もちろん、批判する国々に温度差はありますが、少なくとも「道徳的」「国際法的」に、中国の行動を「正しい」と擁護できる国はいないのです。

このように、ここ数年の流れをみると、日本は「正しい道」を進んでいることがわかります。

しかし、「油断大敵」。現在は1930年代のように、大国間のパワーバランスがコロコロかわります。

1つのミスが破滅的な結果をもたらすこともありますので、総理には「石橋を叩いてわたる慎重さ」が求められるのです。

image by: 自由民主党

『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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