これまで高齢出産は、母体にとっても生まれてくる子どもにとっても、何かとリスクが高いと認識されてきました。ところが4月、その説を覆すような「高齢出産のメリット」を証明する研究結果が発表され、研究者の間で注目を集めています。
40代以降の母親から生まれた子供はより教育を受ける環境にあり、健康的?
一般的に、高齢出産にはさまざまなリスクが伴うものと言われています。
具体的には、流産、卵子の老化に伴うダウン症、その他の先天異常や、早産、難産などです。晩婚化が進む近年、結婚をしても自分の年齢を考えると子どもを妊娠・出産することに不安を感じる人は少なくないのではないでしょうか。
ところが4月、ヨーロッパの研究者によって、「40代以降の高齢の母親から生まれる子どもは、出産適齢期の母親から生まれた子どもよりも、背が高く、健康に育ち、より教育を受ける確率が高い」という研究結果が発表されました。
英テレグラフによると、この研究は、1960年代から1991年までに生まれた150万人のスウェーデンの男女のデータをもとにおこなわれました。
例えば、1950年生まれの女性が1970年に20歳で出産し、1990年に40歳で出産すると仮定。
この20年の間におきた環境の変化による影響を受け、後に生まれた子どもが、先に生まれた子どもよりも、より教育を受ける環境にあり、健康に育つ確率が高いというものです。
しかし、こういったポジティブな要因を考慮せず、長い間、高齢出産に伴うリスクばかりに焦点が置かれてきたことに、研究者たちは問題意識を感じています。
これにはユーザーからも様々な反応が。
「私の場合、38歳と40歳の時に子供を産みました。今子供たちは27歳、25歳だけど、元気にやってるよ。今の65歳はとても若いと思う」
「子供を若くして産んだ親は一般的に教育を受けていない人が多いと思います。もちろんすべての人がそうではないけど、大部分はそうかも。高齢出産のママたちはより教育を受けている人が多いし、その子供も然り」
「自分の経験から、個人的には29歳でママになるっていうのがちょうどいいかも」
たしかに、20歳と40歳では実社会における経験値や、経済力、家庭環境などもかなり異なりそうですね。
こういった観点で考えてみると、高齢出産にはリスクだけでなく、ポジティブな要素もあると言えるのかもしれません。
「子どもを持ちたいけれど、高齢出産はちょっと心配」と思っている方は、生まれてくる子どもへの先天性の健康のリスクだけでなく、親として後天的に与えられるメリットにも目を向けてみると良いかもしれませんね。
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source by Telegraph , CTV News, メール・オンライン
文/長塚香織