彼から別れ話を出された女性に、石田衣良がベッド上の「秘策」を助言

 

石田衣良さんの回答

これはたぶん、「楽しくなくなってきた」と言いつつ、次の女がいるパターンだよね。男の人も女の人もそうなんですけど、抽象的な理由では別れないものなんですよ。「次にもっといい人ができた」とか、そういうことがないと。でも、この彼はぐらついていますよね。男の人って新しい彼女ができて前の彼女と別れるときには罪悪感があるじゃないですか。だから、どうしてもこの戦いに勝ちたいのであれば、男の罪悪感をチクチク刺激するのがいいと思いますね。

たとえば「うわっ、この子、こんなにがんばってくれるんだ、ぼくのために」っていうようなところをチラチラッと見せたりするといいんじゃないですか。ちょっと郊外にドライブに行くときにすごいお弁当を作っていくとか、そういう細かなことをやっていけば、まだ引っぱれるとは思うんだけど。

でも正直言って、別れたほうがいいんじゃないかなあ。だって彼が「おもしろくなかった」と感じているということは、あなたも実は大して楽しくないはずなんですよ。

ただ、いきなり先に「別れよう」って言われたのでショックを受けているだけだと思います。順番が逆だったら、あなたのほうが「本当に早く別れたいんだけど」と言っていると思いますよ。あなたもそれに気がついているんだけど、プライドショックのせいで自分のことを冷静に見られなくなっていると思います。もちろん粘ればまだ芽はあるとは思うけど、まあそこまでするのはどうかなっていう感じですね。

どうしても別れたくないなら、作戦としては2つじゃないですか。今まで彼が望んでいたけど「そんなの恥ずかしくて嫌だ」と断っていたようなことを、ベッドの上でちゃんとしてあげる。あとはデートのたびに料理を作ったり、ちょっとしたプレゼントをしたりして、「こんなにあなたのことを思っているよ」ということを態度で示す。その2つをやっていたら、男の人は必ず戻ってくると思うんだけど。でも、それをやる価値があるかっていう話だよね。彼が戻ってきたところで捨てるっていう手もありますけどね(笑)。

あなたも、その彼のことをどれだけ好きか、冷静に考えてみてください。その彼、そんなにいい男ですか? 振られたから執着しているだけっていう気がするんだけど。そんなに大したことない人でも、自分の立場が弱くなると、すごく良く見えるものなんだよね。

source: 石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」

image by: Shutterstock

 

石田衣良石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」
著者:石田衣良
本と創作の話、時代や社会の問題、恋や性の謎、プライベートの親密な相談……。
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