資本主義の崩壊も警告。日本発の予言書「日月神示」とは何ぞや?

 

日月神示の解説者としての一歩を踏み出す。

著者の先生と出会ってから、2日と明けずに先生の家には行ってましたね。今考えると、よくそんな時間があったなぁと(苦笑)。でも、当時は時間があったし、一番興味があったことでしたので。そしてそのうち先生から「全巻本が手に入ったから、一つ譲ってあげようか」と言われて譲ってもらったんです。その後、岡本天明先生の奥さま(岡本三典さん)にもお目に掛かることができて、日月神示の解読に没頭していったわけです。

読んでいくうちに「こんな素晴らしいものが、なんで世の人に知られていないんだろう……」という思いが募っていったんです。当時、私はライターとまでは言えないんですが、英会話の本を出したりしていたんです。その縁で徳間書店とお仕事をしていて、打ち合わせの時に「日月神示っていうのがあるんですよね」というお話しをしたら、興味を持って頂き、「じゃあ企画書を書いてください」と。それで自分ならこういう本だったら買いたいと思うんじゃないかという内容で骨子をまとめたんです。それが企画会議を通ってしまったんです。

予言研究家・川尻徹氏との出会い。

実は‘91年に出した初めての著書『日月神示』にはちょっとした裏話があるんですよ。

『日月神示』の原稿を書いていた同時期、実はもう一冊の本を書いていたんです。ノストラダムス研究家として有名な精神医学博士の川尻徹先生の本をまとめる作業だったんですが、今考えると「日月神示の本を出してあげるから、川尻さんの本もお願いね」ってことだったんでしょう。私もまだこの世界では駆け出しでしたから、仕方なく引き受けることになったんです。

川尻先生の話をまとめるのは本当に大変でした(笑)。先生の話したことをテープ録りしたものがテープ起こし原稿として上がってくるんですが、先生は頭の回転が速すぎて、あちこちに話が飛ぶんですよ。さらに先生手書きの超ユニークな文字で書かれた分厚い原稿、どさっと渡された参考文献の山……もう、付いていくだけでやっとでしたね。特に手書きの原稿はもう“難解”で、その難解さを読者の方にもわかってもらいたいと思って、生原稿をコピーしてそのまま掲載したこともあるんですよ。結局、それから先生の本を三冊お手伝いしたんですが、まぁ、ある意味、先生には鍛えられましたね(笑)。この仕事ができたら他は何でもできるっていう自信が付きましたよ。

中矢伸一さん

日月神示の解読作業について教えてください。

私が日月神示を読むに当たって大切にしているのは、日月神示を降ろした神様は何を伝えたいのか?ということを念頭に読むことです。読んでいてわかったのは、日本人の中に眠っている大和魂や日本精神もう一度復興してくれと言うことなんです。それができれば大きな災難も小さなものに変更することができ、乗り越えることができるのでは……と思います。

一番いいのは皆さんが日月神示の原文に触れ、実際に読んでみることなのですが、とにかく難解なのでいきなりは難しい。だから、誰かが日月神示に通じる道を作っていかなきゃいけない。私にできることは日月神示を解説して一般の人に日月神示を知ってもらうことじゃないかと。でも、そこには葛藤があって、本当は私の解釈でさえ、挟んじゃダメなのかも……とも思います。なぜなら日月神示は御神霊が岡本天明の肉体を機関として書かれたものだからです。神示そのものが生きているのです。なるべく第三者の意見を挟まずに直接読んでもらいたいとも思うんです。だから、できるだけ解釈ではなく解説。「こういう流れで書かれているから、ここではこういうことが書かれているんですよ」みたいな感じで、わかりやすくしていく手助けですね。

私は日月神示の研究家として、現在はホームページや著書、講演会などでメッセージを発信していますが、よく誤解されがちなのは、私は頑なに日月神示だけにこだわって研究しているわけではないんです。日月神示は私にとって大きな存在ではあります。ライフワークの軸になるような存在ですね。でも、日月神示を読み解くには、いろいろなことを勉強して知っていかなければならないんです。それを知らずに読もうとすると、一種のオカルトとかスピリチュアルの分野のみに留まってしまいます。日月神示が内包するダイナミズムは、そんな小さなものではないのです。

日月神示に書かれたことは先ほどもお話したように、非常に難解で抽象的です。だから、踏み込んで知ろうとすると古書や古代史の歴史を知らなければならないし、それだけではなく、健康に生きるためにはどうすべきか? はたまた運を開くためにどうしたらいいか? 経済の本質とは何か? 最先端の量子力学や宇宙論はどうなっているのか?といったことまで学ぶ必要があるのです。

そういったことを学び、見聞きして日月神示を読み解いていくと、世の中の仕組みそのものを深く知ることになったのです。そこでわかったのは、この社会を牛耳るというか、背後で隠然たる力を持つ“闇の勢力”ともいうべき人々がいるということ。日月神示にはそれが「イシヤ」という言葉で書かれていたのです。ですが、日月神示ではそういった闇の勢力と争うのではなく、いい世の中にするためには手を組まねばならないと書いているのです。

今、世の中にはたくさんの陰謀論が蠢いています。本屋さんに行けば、陰謀論について書かれた数多くの本が並んでいます。日月神示の研究者たちにとって、そういった陰謀論の真偽を見極めることは重要なテーマでもあるのです。

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