「全力を尽くします」などと言う社会人を信用してはいけない理由

 

頑張る、全力を尽くすという行為がなぜ評価されないのかというと、この行為には知恵が必要ないからです。とにかく全力で走っているように見えればそれで評価されちゃうのであれば、頭なんて使いませんよね。工夫をしようとか、仕組みを作ろうとか、先回りしてエラーを防ごうとか、そういう思考って全力で走っているときには思いつかないんです。だって身体を動かすことにすべてのエネルギーが向かいますから。それが全力を尽くすということなんです。

つまりこれって、頭を使い慣れていない人にはものすごくラクで心地いいんですよ。体力の及ぶ限り走り続けているだけで、あとは何もしなくていい、というのが全力を尽くすことが評価される会社で起こることなのです。そういう会社は無意味にみなさん長時間労働で、夜の9時、10時くらいまで会社にいるのは当たり前だったりします。

こういう会社で6時に帰ろうとすると、それだけで全力を尽くしていない、って言われちゃうんですよね。そういう会社でエクセルマクロを駆使して自動化、省力化を提案しこれを実現させると宇宙人を見るかのような視線を受けますから。これはつまり、やってることは確かにスゴいんだけど、これって褒められることなんですか? と戸惑うんですね。そういう会社では、そんな状態で目が泳ぐ人をたくさん見ることができます。

反対に全力を尽くさない、頑張らない、と決めたら、「頑張らずにどうやって成果を上げるのか?」という命題が生まれるということで、生産性の向上ってこの瞬間からスタートするんです。そうなるためには、今の状態から何かを変化させなきゃならないんですね。そのためには頭を使って知恵を出す必要があるんです。そして全力で走らないからこそ、知恵を出す余力が生まれるんです。脇目を振りながら、状況を冷静に把握して、余った体力を使って試行錯誤ができるわけです。

ちなみに、全力を尽くしているときって試行錯誤はできませんから。試行錯誤ってうまくいくかどうかわからないけどちょっと試してみよう、という行為ですよね。「これってうまくいくのかなぁ?」という振り返りとか確認って、身体と脳みそに余裕がないとできないんです。全力を尽くしているときってそれがない状態ですよね、それがあったら全力を尽くしていない(手を抜いている)ってことですから。

だから、社会人は全力を尽くしちゃダメなんです。「全力を尽くさずに目標を達成するにはどうしたらいいのか?」を考えるべきなのです。

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著者/佐藤しょ~おん
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