忍び寄る「極右」旋風。世界はやはり第二次大戦前夜に酷似してきた

 

自由主義経済の終焉

英国の離脱や米国のトランプ氏が大統領候補になるなど、経済合理や今までの寛容を基礎とした自由主義とは違い、人種差別やナショナリズムで理念や経済合理性ではなく、国民感情で動く政治になってきた。

英国EU離脱で、最初の国民感情での動きが金融破綻に結びつき、その金融危機で、経済的に苦しくなり、次のナショナリズムの動きが出てくることになる。

特に、日本にとっては中国が危険な感じがする。

金融危機になれば、経済的に苦しくなるので、フランスやオランダでもEU離脱派が選挙に勝利する可能性も出てくるし、中国の民衆が騒ぐので、習近平政権も国内対策としての南シナ海東シナ海の紛争を起こす可能性もある。特に7月上旬に国際仲裁裁判所の判断で、中国の南シナ海権益を無効とすると、中国国内の反発で、大変なことになる。

まるで、1930年代から1945年の繰り返しを世界は演じているような感じになってきた。

経済的な相互依存を、国民感情がナショナリズムの感覚で破壊して、その破壊でより経済的に厳しくなり、その厳しさで、ナショナリズムがより沸騰してしまい戦争という手段に出てしまうことになる。

富者が、貧者の配分を減らし富者の配分を増やしたことで、貧者が経済合理性を無視した反乱をして、その反乱で経済的に苦しくなり、特に貧者が苦しくなり、より大きな反乱を企てることになるようだ。その行き着く先が戦争ということになる。

益々、イヤな感じになってきた。

さあ、どうなりますか?

image by: Shutterstock

 

国際戦略コラム有料版』より一部抜粋

著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
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