瀕死のイギリス。EUよりも先に「UK連合王国」がバラバラの危機へ

2016.07.06
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世界各国に重大な影響を及ぼすと言われる英EU離脱ですが、当然ながら「イギリスがもっとも大きな代償を払うことになる」と記すのはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』。高野さんは、「今後離脱が多発しその存続が危ぶまれるEUよりも先に、英連合王国が解体の危機を迎えることになる」と持論を展開しています。

「後悔先に立たず」で混沌の海に溺れる英国──EUよりも先に連合王国が解体の危機へ

世間が犯す数々の過ちの中でも、「後悔先に立たず」は代表的なものの1つで、「転ばぬ先の杖」「濡れぬ先の傘」「死んでからの医者話」「覆水盆に返らず」など類似の諺には事欠かない。英語でも、It is no use crying over spilt milk(ミルクをこぼしてから泣き叫んでも役に立たない)とか、Repetance comes too late(後悔はいつも手遅れ)とか言うらしい。ものの弾みでEUからの離脱を選択してしまった英国で、その翌日から始まってますます広がりつつあるのは、そのブレグレット離脱後悔の世論である。

離脱に投票した人々が怒っている直接の原因は、プロパガンダの先頭に立ってきた英国独立党のファラージ党首や保守党のジョンソン前ロンドン市長が盛んに振りまいてきた決め言葉、「英国のEUへの拠出金=週3億5,000万ポンド約480億円をストップして国民医療サービスに回すというのが嘘で、実際には、EUから英国に分配される補助金などを差し引くと週1億数千万ポンドにしかならないことが明らかになったことである。

ファラージはTV番組であっさりと間違いを認め、また別の離脱派幹部も「離脱すれば移民を制限できると言ったのは少々大げさで、移民をゼロにできる訳ではなく、少しだけ管理できるようになるだけだ」と弁解して、離脱に投票した人たちを失望させた

本誌は前号で「何よりも重要なのは、主権者1人1人に、十分に的確な判断ができるだけの情報が与えられた上での熟議」であるはずだと述べたが、世界で最も成熟した民主政体を誇ってきたはずのこの国で、こんな馬鹿げたことがどうして起きるのか、今なお信じられない気分である。米ワシントン・ポストは「英国人は何に投票したのか本当は分かっていなかったのかもしれない」と嘆いた。

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