マツキヨが首位陥落の危機。突如現れた「業界2位」の刺客とは?

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先日、ドラッグストア業界首位のマツモトキヨシホールディングスが、大幅なグループ再編を行うことを発表しました。この動きは「トップであっても予断を許さない状況」であることを示唆していると言えるでしょう。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、競争が激化するドラッグストア業界の今を伝えます。

マツキヨ、業界トップ陥落の危機

ドラッグストア業界の首位争いが過熱しています。

業界首位のマツモトキヨシホールディングスは7月15日、10月1日を効力発生日としてグループ再編を行うことを発表しました。

100%子会社である杉浦薬品を消滅会社、マツモトキヨシを存続会社とする吸収合併を行います。100%子会社であるトウブドラッグのドラッグストア事業をマツモトキヨシへ吸収分割により承継します。分割後のトウブドラッグを消滅会社、100%子会社であるマツモトキヨシファーマシーズを存続会社とする吸収合併を行います。

いずれも100%子会社間での組織再編のため、連結業績に与える影響は軽微です。運営コストの効率化や品揃えの強化、地域に密着した対応の強化、更なるシェアの拡大、調剤事業の強化・拡大を目的としています。

ドラッグストア業界の争いと業界再編は熾烈を極めています。マツモトキヨシツルハホールディングスサンドラッグの三者が業界首位の座を争っていました。

直近の通期の業績(連結)では、マツモトキヨシの売上高は5,360億円(2016年3月期)、ツルハは5,275億円(16年5月期)、サンドラッグは5,037億円(16年3月期)となっています。

マツキヨに新たな刺客が現る

ここにきて新たな競争会社が突如現れました。流通大手イオンの子会社であるウエルシアホールディングスです。

イオンはTOB(株式公開買い付け)により14年11月にウエルシアを子会社化しました。ウエルシアは15年に、ハックドラッグを運営するCFSコーポレーション、タキヤ、シミズ薬品を完全子会社化するなど、業界の再編を進めてきました。ウエルシアの16年2月期の売上高は5,284億円で、マツモトキヨシに迫る業界2位の座に突如現れたのです。前年同期の売上高は3,804億円に過ぎませんでした。

ドラッグストア業界の争いでカギとなるのが「調剤事業」「カウンセリング営業」「プライベートブランド商品」の3つです。出店・価格競争の激化の継続や異業種の参入により業界競争が激しくなっています。業界の特性上、品揃えの強化だけでは差別化は難しく、それ以外での付加価値の創出が不可欠となっています。

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