日本も中国に潰されるのか?世界中が巻き込まれる「負の連鎖」

 

問題はこれからの日本の出方だ裁判所の判決を楯に中国を責め立てても解決しそうにないし、再び日中関係をこじらせる結果に発展しかねない。まずは中国の狙いが、本当にアジア太平洋進出の軍事拠点の一つにしようとしているのか、それとも漁業や海底資源の獲得にあるのか、あるいはASEANの分断化を考えているのか、日本はまず政府レベルだけでなく、ASEAN諸国や民間レベルなどあらゆるルートから中国を話合いのテーブルにつかせるような努力をしそのことを世界にみせるべきだろう。その上で中国の本音を知って解決への道を探ることだ。

中国は上り調子の国だが、まだ成熟した国になっているとは言い難い。世界が安定的に成長してゆくには、国際社会が認める国際的な価値基準を尊重すべきことをみんなで説くしかあるまい。世界大乱のきっかけが南シナ海問題から発することだけは、何としても避けるようにするのが日本の役割であり、その覚悟を持つべきだろう。

(Japan In-depth 2016年7月20日)

 

ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」
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