最後の手段で「戦前回帰」しても日本が救われないこれだけの理由

 

戦前回帰は解決にならない

とはいえ、戦前回帰は根本的解決になりません

戦前に関して、「よかった」「悪かった」いろいろ意見があります。これまでは「悪かった派」が圧倒的に多かった。しかし、近年よかった派が力を増しています

とはいえ、「よかった派」も決して否定できない厳粛な事実があります。それは「戦前の体制で日本は負けた』」ということ。戦前の体制で負けたのに、また戦前の体制に戻せば、『また負ける』に違いありません。

負けても「自虐史観から脱却できるでしょうか? できるはずがありません。日本がまた孤立し、また敗戦したくなければ、世界の趨勢に従わなければなりません。それは、「自由」「平等」「民主主義」「人権」などです。これらを否定する国は、孤立します。

どんなに中国の経済力が上がっても、あの国が「不自由」「不平等」「独裁国家」「人権無視国家」である限り、世界で尊敬されることはないでしょう。

今中国は、東シナ海で日本を圧迫しています。南シナ海では、哀れな東南アジア諸国(特にベトナム、フィリピンなど)をいじめ抜いています。しかし、世界から見れば、異質な巨大怪獣であり、「みんなでがんばって退治しなければならない存在」になりつつある。

今は、「中国の金力は魅力的だぞ!」「中国に逆らうのは怖いぞ!」と、多くの国がユラユラしている。また、アメリカの衰退が著しく、中国を有利に見せています。しかし、05年から一貫して書いているように、中国の繁栄はもう長くありません(05年出版の『ボロボロになった覇権国家』には、中国は08年~10年に起こる危機を乗り越えるが、成長は2020年までに終わると書いている。実際、中国は、08年からの危機を乗り越え独り勝ち状態になった。そして、今年から減速が顕著になっている)。

print
いま読まれてます

  • 最後の手段で「戦前回帰」しても日本が救われないこれだけの理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け