安倍政権を叩きたいだけ?年金運用を「赤字」報道する朝日の偏向ぶり

 

まず、年金に黒字も赤字もありません。年金は商売じゃありませんからね。そもそも厚生年金が始まった時には、年金は積立方式でした。ところが戦後のハイパーインフレで積立金がぶっ飛んで、積立方式としては年金が機能しなくなったもんだから、厚生労働省は「賦課方式」なんて言い方を編み出して、現役世代の給料袋から天引きする年金保険料を、本人のために積み立てるんじゃなく、その時代の高齢者に横流しすることにしてしまったんです。

それでも戦後の長い間、現役世代に比べて年金を受け取る高齢者の数が圧倒的に少なかったですから、毎年剰余金が出ました。これが積もり積もったのがいわゆる「年金積立金」です。

ところが過去20年、高齢者が激増する一方、保険料を納める現役世代が相対的に少なくなってしまった上に景気も悪くて給料も伸びず、当然給料の一定額を徴収する保険料収入も伸びなくなりました。一年間に現役世代から徴収する保険料が、その年に高齢者に支払う年金額を下回る年度が出始めたんですね。

年金は商売じゃないので赤字も黒字もないんですが、百歩譲って単年度で年金支給額より年金保険料が少なかった場合、その状態を「赤字」、逆に保険料収入で年金を支払った後で「おつり」が出た状態を「黒字」とすると、昨年は読売が書いたように、厚生年金、国民年金ともに年金支給が保険料収入だけで賄われて、なおかつ2兆円以上の「おつり」が出ているんです。もっと簡単に言うと、昨年度は積立金に手を付けずに年金支給が出来たんです。

この状態を報じるのに、「黒字」とすべきか「赤字」とすべきか、言うまでもないでしょう。
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image by:Shutterstock

 

辛坊治郎メールマガジン』より一部抜粋

著者/辛坊治郎
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