中国の夢
習近平は、中国の夢という構想を掲げて総書記になり、その実現を目指しているが、この中国の夢は、周辺諸国にとっては悪夢になっている。巨大国家が自国の領土を拡大するということであるから、周辺諸国は、中国に従うか敵対するかになる。
中国に敵対する国家は、米国や日本に助けを求めるし、中国に隷属する国は、中国の駒として働くことになる。現時点、中国の駒は、ラオス、カンボジアであり、中国の駒から離れたのがミャンマーである。
敵対しているのは、フィリピンとベトナム、インドネシアなどであるが、米国でトランプ大統領候補が、アジアなど諸外国での同盟関係を見直して、金を払わない国の安全保障はしないと宣言したので、中国敵対国家は、保険を掛ける必要になってしまった。日本も中国敵対国家であるが、日本は保険を掛けることをしていない。
このため、米国の大統領がトランプ氏になったら、大変なことになりそうであったが、トランプ候補の舌禍事件が立て続けに出たことで、すこし安心できる状態になったようである。
しかし、クリントン候補が大統領になっても、米国の軍事費を社会福祉に回し削減されることになる。このため、中国の軍事増強が続き、サラミスライス戦略+キャベツ戦術で尖閣諸島を巡る攻防が続き、徐々に中国はその強度を増してくることになる。
これに、日本はどう対応するのかが今後の大きな課題になる。
日本の対抗手段
奥山真司さんは、日本も漁船を尖閣諸島に送り、中国と同じようなことをすればよいと提案している。
● 中国船団を尖閣から追い出す、「テーラード抑止」作戦の可能性
これは、日本の漁民を民兵に仕立てることでもあるが、漁民の数が絶対的に減少して、かつ危険な仕事を希望する人は、いないはず。日本の平和主義と漁業が割に合わない仕事になって長く時間が経ったことで、そうなっている。
米艦載機の爆撃演習地に尖閣諸島を使い、米軍も一役買うようにしたらという提案もあるが、米国は領土紛争には関わらないということであり、現時点では米国は、この案を拒否するはず。
尖閣諸島の領有権を国際仲裁裁判所に持ち込むという案は、日本政府が言っている紛争がない領土ということを撤回する必要がある。それと中国は、その提案に乗ってはこないし、若干の疑念がある可能性もあるのかと思う。
このため、当分、日本は尖閣諸島を軍事的に守るしかない。