トランプさんがプーチンの言動を容認したのは、2015年9月ロシアが「シリア空爆」を開始した件についてです。トランプさんは、こんな発言をしました。
「ロシアはアメリカに敬意を払っていないが、もしイスラム国を攻撃したいのならロシアに好きにさせればいい。イスラム国を排除させるのだ。我々もイスラム国を排除したいのだから気にすることなどない」
なぜ、こういう発言になるのか?
トランプさんは、経営者らしく、「なんでも金に換算して考える癖」があるようなのです。たとえば、
- 日本にもっと金を払わせろ!
- NATO加盟国にもっと金を払わせろ!
- 韓国にもっと金を払わせろ!
非常にシンプルでわかりやすい。こういう観点からみると、プーチンが「無料でISをつぶしてくれる」のは、「アメリカの出費が減ること」なので歓迎される。
オバマさんやヒラリーさんなら、「そうすると、反欧米のアサド政権が生き残るし、中東におけるロシアの影響力が強くなりすぎる」などと考える。こういう複雑な思考、トランプさんはしないのですね(そして、アメリカの大衆もしない)。
「儲かるのか? 儲からないのか?」
直接的で、単純で、わかりやすいです。
トランプさんは、「プーチンに遠隔操作されている」のでしょうか? そんなことはないでしょう。もしトランプさんが、プーチンの意向に沿っているのなら、逆にプーチンを猛烈に批判するはずです。そして大統領になってから、なんやかんやと親ロに転換する。
たとえばヒラリーさんの夫ビル・クリントンさんは、ブッシュパパとの選挙戦で、「ブッシュは、中国を甘やかしすぎだ!」と繰り返し批判していました。そして、中国批判も繰り返していた。しかし、大統領になると一変、米中蜜月時代を築きあげた。
※ クリントン夫妻は、中国から長年金を受け取っていたことで知られる親中派。詳細はこちら。
→ヒラリーと中国の「黒い関係」に日本は警戒が必要だ
トランプさんは、プーチンを褒めることで、「当選する可能性を減らしている」のですから、むしろ「プーチンの意向と反対に動いている」といえます。では、CIA元副長官の発言は、なんなのでしょうか?
一方で、ホワイトハウス地下にある危機管理室で、国務長官だった民主党のクリントン氏の判断・決断力を見てきたとし、「きちょうめんで思慮深く、探究心が強く、説得力のある議論には柔軟に意見を考え直す」と分析。大統領にふさわしいと称賛した。
(同上)
結局、こういう話ですね。
- トランプは、プーチンに操られている危険な男。
- ヒラリーは、すばらしい。大統領にふさわしい。