NY在住の日本人社長が、一生慣れないと断言する日本人の嫌な習慣

 

社長業をして15年—。 かつてたったひとりだけ解雇をした社員がいます。僕は基本的にクビを切らない。 引き止めることも滅多にないけど、解雇することもありません。でもたったひとりだけいました。

営業の20代の男の子でした。

彼は確かに成績が悪かった。 でも、成績が悪い社員は他にもいます。 それが解雇の理由には僕にとってはならない。

会社に病気と嘘をついて、彼女とフロリダ旅行に行ったことが判明しても(笑) クビにはしませんでした。

それでも、彼が過去唯一の解雇者になったのは、「成績の上がらない理由をドラマチックにかっこ良く」言ったからでした。

営業数字が取れない彼は、「僕は真っすぐな男で、客に合わせて、へらへら自分を変えれないんっすよ」と言った。 目の奥は酔ってた。 気持ちよく言った。

僕の性格を知り尽くしている、他の古くからの社員メンバーは、「あ~あ、言っちゃったよ」って空気になりました。絶対、ダメだからです。 僕が絶対その類を許せないことを知ってるからです。

実は彼自身も、客に合わせて一所懸命機嫌とってたのを知っていた僕は、負けた理由を「ドラマチック」な理屈で、自己正当化されることだけはどうしても許せませんでした。

「おまえも、客の機嫌とってたぢゃん♪ ただ単に出来なかっただけで ハート」

数字が悪かったことは、どうでもいい。 どうでもよくないけど、また頑張ればいい。でも、負けた理由をかっこ良く言えるってことは、勝ちも負けも価値に大差がない。勝つ為に必死になっている人間(他の社員)の努力まで否定しているように聞こえちゃったのです。それだけは許せない。

負けた理由をかっこ良く自己正当化できるなら、彼は次も負ける。 なんなら、勝つことよりすでに価値を見いだしちゃったかもしれない。 さっきの気持ちよさそな目を見ると。

勝ちよりも、負けの方が、理屈ひとつでカッコよくなるなら。もうなにがなんだかわからなくなる。

成績いい人間は「真っすぐな人間じゃなくて、客に合わせて、へらへら自分を変えた」人間と言ってることになる。 「そうは言ってません」という理屈は絶対通らない。

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