考えるべき顧客の創造の仕組み
自社の強みに特化したサービスとターゲティングをしている中で、それぞれをもう少し深く考えてみよう。
来日する人数は増えている中で、観光客が「日本で何を買う」のか? 「免税品」である。通常は税金がかかる家電製品や時計などを、免税で買うことができる、というのが免税店で買うメリットだ。
免税品店である、とアピールすると、価格や品ぞろえが、選ばれる上での「決め手」になる。海外でのショッピングにおいて、どちらも非常に重要なことなのだが、この2点はエントリーバリアが低い。「真似されやすい」のだ。ツアーに組み込まれるなどして、最初は行ってみようとなるであろうが、次にはつながりにくく、一過性になってしまう。
このメルマガでも詳しく書いてきたように、「リピート」してくれる顧客が最も重要である。短期間で、同じ国に観光をしに行くことはけして多いことではないので、観光客はなかなかリピートしてくれない。
インバウンド需要とは、一見さんが多く、リピートでの購入を促すのは、容易ではない顧客層と言える。では、インバウンド需要の取り込みはそもそも間違いなのだろうか? 一概にそうとは言えない。
私もそうなのだが、海外に旅行に行くときには、自分の旅程や、エンタテイメント、買い物の場所やレストランについて、かなり広く深く調べる。以前ではガイドブックがメインだったが、今ではネット検索も活用する。
そんな中で、決定を左右するのが「クチコミ」である。人は、広告や販売者の言うことよりも、第三者を信じる。お客さんが、「美味しい」「行ってよかった」というコメントに心を動かされるのだ。
クチコミの評価が高ければ、数ある選択肢の中から、「選ばれる」確率はぐんと高まるのだ。