中国経済が最大の脅威
ハーバード大学のロゴフ教授は、もっと穏健。それでも、「世界経済に危機が迫っている」ことを警告しています。危機の震源地は、中国になる可能性が高いと。私もそう思います。
中国経済の減速が最大の脅威 ロゴフ氏インタビュー
BBC News9月26日(月)18時34分配信
国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、ケン・ロゴフ氏は中国経済の減速が世界経済にとって最大の脅威だとの考えを示した。BBCとのインタビューで述べた。
ロゴフ氏は、世界の経済成長のけん引役のひとつである中国経済が「ハードランディング」する可能性が全くないとは言えないと語った。同氏は、「中国は現在、大きな政治的革命のさなかにあり、経済の減速は公式な統計が示すよりもずっと大幅だろう」と述べた。
(同上)
「ハードランディングする可能性がまったくないとはいえない」そうです。
ソロスは、もっと露骨。今年1月時点で、「中国のハードランディングは不可避」と断言しています。
[ニューヨーク 21日 ロイター]
米著名投資家のジョージ・ソロス氏は21日、中国経済がハードランディングし、世界的なデフレにつながる恐れがあるとの見通し示した。
ソロス氏は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されているスイス・ダボスからブルームバーグTVに対し、「ハードランディングは不可避」と言明した。「これは予想ではなく、実際に目にしていることだ」と述べた。
ソロスさんについては、賛否両論ありますが。この方は、リーマンショックが起こる8か月前に、「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する」と発言し、アメリカ発「100年に1度の大不況」勃発を予言しました。また04年時点で、アメリカの没落を予測していた。ですから、かなりアテになるのです。
中国経済の減速、ドイツ発の欧州危機。さまざまな専門家が、「世界的経済危機が迫っている」ことを警告しています。私的には、今の状態は、ちょうど10年前の06年ぐらいに似ているのかなと感じています。
07年にサブプライム問題が顕在化し、08年に世界的危機に発展していった。昔からの読者さんはご存知のように、RPEは、05~06年時点で、
「アメリカ発の危機がくる」
「中国は、08~10年に来る危機を乗り切る」
「中国は、18~20年に再び危機になる」
と書いてきました。アメリカは予想通り没落し、中国は危機を乗り越え独り勝ち状態になりました。
中国は、AIIB事件が起こった去年3月時点で、「世界経済唯一の希望」でした。しかし、今年はもう「世界経済のお荷物」になっています。
いずれにしても世界経済に暗雲が漂いはじめています。過度に恐れる必要はありませんが、心の準備とできる対策を始めておきましょう。
image by: Shutterstock
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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