「亀の甲より年の功」という言葉があるように、年長者の経験は貴重で、若い人には到底かなわない部分がたくさんあります。しかし、新しいことに挑戦する際、それが大きな障害となってしまうこともあるようです。無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、現役コンサルタントの梅本泰則さんが遭遇した、「成功しないシニア起業者」の特徴が記されています。
年配者からの相談
私のところには、年配者の方も相談にやってきます。先日も、60代後半の方が来られました。1時間の無料相談です。「30年間勤めた会社でつかんだ節税ノウハウがあるので多くの中小企業に伝えて、相手の役に立ちたい」とのことでした。
よく聞いてみると、コンサルティング活動をしたいというのが結論です。大きな夢をお持ちのようです。自信もあります。私は尋ねました。
私「どんな方をお客様にしたいですか?」
相談者「中小企業の経営者です」
私「そのお客様は、どこにいますか?」
相談者「日本全国にいますよ」
私「どうやってそのお客様をつかまえるのですか?」
相談者「それが分からないから相談に来たのです」
なるほど。私は、少し不安になりました。
私「それでは、その販売戦略を聞かせてください」
相談者「販売戦略? 何ですかそれは?」
私「どんな商品を、どんな方法で、いつまでに、どれくらい販売するか、という計画のことです」
相談者「そんなものはありません。私のノウハウは素晴らしいものなのだから、説明する機会さえあれば、皆が導入してくれるに決まっています」
ますます不安になりました。
私「では、事業や商品を説明するためのホームページはお持ちですか?」
相談者「ありません」
私「ブログとかメールマガジンとか、見込み客にアクセスする方法は持っていますか?」
相談者「パソコンは苦手ですから、まったくありません」
ちょっと困りましたね。