プライドの高さと謙虚さの欠如。だからシニア起業家は失敗する

 

販売戦略書

仕方なく、そのまま話を続けます。

「では、まず販売戦略書を作りませんか?」

相談者「販売戦略書? どうやって作るのですか?」

「私が戦略書のひな型をお見せしますので、そこに書き込んでいけば出来上がります」

相談者「どんなことを書くのか、大まかに教えてください」

興味がありそうです。そこで、私は戦略作りの基本にそって、説明を始めました。

「まずは、誰をお客様にするかを決めることから始めます」

相談者「誰って? さっきも言ったように中小企業の経営者です」

「それでは漠然としていますので、もっと絞ってください。会社の規模とか、業種とか、エリアとか」

どうしてそんな面倒くさいことをするのだ、という表情です。かまわず話を続けました。

「次は、あなたが提供する商品の強みを見つけていきます。強みは何でしょう?」

相談者「強みは、この節税ノウハウを使えば利益が出るということですかね」

「そのノウハウを相手にわかりやすく説明することはできますか?」

相談者「公開はできませんが、興味のある方には口頭で説明できます」

といって、持参した説明用ファイルを見せてくれます。

「これをチラシにしたり、ホームページなどに載せられますか?」

相談者「そんなことをしたら、私のノウハウがばれてしまう」

うーん、どうやって商品の良さを伝えるつもりなのでしょう。

「手始めにブログを書いてみてはいかがでしょう? メールマガジンを発行するという方法も考えられますが?」

相談者「パソコンは苦手だと言ったはずです!」

怒られてしまいました。少し気の短い方のようです。しかし戦略もなくビジネスを進めていただくわけにはいきません。気を取り直して、改めて戦略書を作る意味をお伝えします。

「戦略書は、誰に、何を、どうやって売るかを決めるものです。それをもとに、年間や月間の数値計画を組み立て、行動計画を決めていくことになります」

相談者は、ますます面倒くさそうな様子です。

相談者「ホームページを作るのには金がかかる。しかも、計画を作ったところで計画通りにいくものではない。その上、ブログやメルマガを書くことは、私には無理だ」

出来ない理由がいくつも出てきます。販売戦略を考えることも、計画書を作ることも面倒なようです。

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