カゴメの失敗。トマト企業はいかにしてブランド崩壊を乗り越えたか?

 

ブランドを浸透させる努力を行った

飲料や食品など事業単位で顧客に提供する価値を明確にし、商品開発と自社ブランドのコミュニケーションを行っていきました。再定義したブランドを社内に浸透させるために、社長自らが社員に直接ブランドの意味について説明を行っていきました。

ブランドを確立する上で、ブランドを社内に浸透させることは非常に大事なことです。崇高なブランドメッセージなどを開発しても、それを社員が十分に理解していなければ、有効なブランドメッセージを対外的に発信していくことはできません。

そのため、社員研修を行うなどして社員に浸透させることに注力しました。地道な努力により、社内に統一したブランド観を構築することができたのです。

次に、顧客にブランド価値を伝えていくことに注力していきました。年間1万人を目標とし、講演を行うことで啓蒙していったのです。また、取引先の関係者を工場見学に招待し、現場・現物を見せることでブランドの魅力を伝えていきました。ロゴやパッケージなども新たなブランド価値を示すものに変更しました。

再構築されたブランド価値を伝えるための活動を地道に行っていきました。自社のコア・コンピタンスを明確化し、コア・コンピタンスに沿った商品開発と事業展開により、カゴメの企業ブランドを確固たるものにしたのです。

ブランド価値を構築するということは簡単なことではありません。しかし、一度構築されたブランド力は、見えない資産として大きな力を発揮します。時間はかかりますが、カゴメのような確固たるブランド力を確立することは非常に大事なことです。

企業が永続的に発展していくためにはブランドの確立が欠かせません。カゴメの事例はその重要性を端的に示しているといえそうです。

image by: Tabatterstock

 

店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業
著者/佐藤昌司
東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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