【こちらアート広報部 Vo.3】日本的なアートって?

2016.10.15
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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おはようございます〜♪ A子です。

とうとう、東美特別展のオープンを迎えました!
多くのVIPの方々がいらっしゃいますが、メディアの方々もたくさんいらっしゃいますので、私は芝にある東京美術倶楽部の中を走り回る一日となりそうです。
当日入場できるチケットも販売しておりますよ、ご興味ある方は是非!

今までは、骨董や茶道具などどちらかというと陶磁器などのお話をしてきましたが、海外でアートの勉強をしてきた私としてはファインアートといえば絵画と彫刻。特に美術館で見るものと言ったらやはり絵画ということになります。
古美術の世界では書画として書と絵画は一括りにされてきたようです。書はまたの機会に置いておいて、今回は日本の絵画について考えて見たいと思います。
古くは屏風絵や襖絵、掛軸が奈良・平安時代から普及してきたようです。東京美術倶楽部に程近い平山堂にお邪魔する機会がありました。

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別の案件の写真撮影で”女性モデルが映えるような屏風や掛軸を用意してください!”という私の無茶なお願いに対応していただきました。その中で一番心に残ったのが円山応挙でした。
日本の絵画作品というと古くは夢想した中国の風景を墨一色で描く水墨画の掛軸があり、安土桃山時代になり居城が作られると、政治的な意味でもダイナミックで大きな襖絵が描かれます。

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江戸中期の作家である円山応挙は、経済的に発展する町人社会を背景に普及する俳句と同様、
自然や社会を写生するということを行いました。また技法も素晴らしくて、拡大鏡で見せていただきましたが、髪の毛の生え際や、瞳の描写がすごく細かいんです!その中にも応挙独特のフォルムがこめられていて、そのバランスがすごいです。江戸時代の発達した技巧と文化の品の良さみたいなのを両方感じることができました。

平山堂は東美特別展では、江戸時代末期に作られたミニチュアの絵巻を出品されます。
これを見ながらお酒でも飲んでいたのでしょうか、オサレー!

さらに時代を下って、明治時代になると急に洋画と言われる油絵が出てきます。
銀座の中央通り沿いの東京のど真ん中とも言えるところで、やや入りづらい感のある至峰堂にうかがう機会がありました。ふかふかの絨毯、今までのところとは異なり、洋風なお店です。
ゴージャスな額縁の絵が並んでおります。この感じ、明らかに今までの見てきたものと違います。逆算すると、それぐらい明治維新がショックだったとのこと。服も家も今よりもっと洋風だった階級・エリアが存在した明治〜戦前までの時代を象徴するかのように、絵画も洋風だったのですね。日本から多くの画家がヨーロッパに渡って衝撃を得ながらも、そこに日本的なものを表現していて、それを読み取る面白さがあります。
梅原龍三郎を拝見しましたが、しがらみを感じさせない突き抜けた存在感がありました。
東美特別展では鳥海青児を出品されます。
厚塗りの美!ヨーロッパで格闘した日本人の力強さを是非会場でごらんください。

何か伝統的な日本というものがあるというよりは、時代の社会の波によって、アートも変わってくるというのを実感しました。
今後のアートはどこに行くのかな?新聞の苦手な時事面もきちんと読まねばと思った、秋の一日でした。

10月16日(日)17時まで開催しておりますので皆様のご来場をお待ちしております。
私も会場のどこかで走り回っていますヨ!

Text:A子

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