打倒マクドナルド。「牛角」がフレッシュネスバーガー買収で殴り込み

 

こうした背景の中、コロワイドはフレッシュネスバーガーを傘下に入れました。ハンバーガー業界ではマクドナルドとモスバーガーの2強が君臨しています。マクドナルドは14年夏以降に発覚した期限切れ鶏肉の使用問題や異物混入問題などにより業績が悪化しました。最近は業績が回復しつつありますが、依然厳しい経営状態が続いています。

一方、モスバーガーは成長を続けています。08年3月期のモスバーガー事業の売上高は571億円でしたが、16年3月期は669億円となっています。売上高は増加傾向を示しています。本業の儲けを示す営業利益は、08年3月期は11億円でしたが、16年3月期は59億円となっています。営業利益も増加傾向を示しています。マクドナルドの転落とモスバーガーの躍進から、ハンバーガー業界に儲けのチャンスが広がっていることがわかります。

フレッシュネスバーガーはモスバーガーと似ています。高品質でこだわりのハンバーガーを提供しています。例えば、16年10月5日からフォアグラを使用した「クラシックフォアグラバーガー」(1,000円/税抜)を販売しています。これは極端ですが、350~720円(税抜)の高級ハンバーガーを販売しています。モスバーガーのハンバーガーは220~550円(税込)で、それよりもやや高価格帯ですが、高品質ハンバーガーというくくりで同様に見ることができます。モスバーガーの躍進から、この価格帯の需要はあるといえます。

モスバーガーは主に2等地に出店し、主に1等地に出店するマクドナルドとは直接的に競合しないようにしてきました。モスバーガーはマクドナルドの脅威が及ばない場所で成長することができました。フレッシュネスバーガーも同様に2等地を主体として出店を進めていきました。

モスバーガーもフレッシュネスバーガーも共に2等地を主体として出店を進めていますが、2等地での出店は飽和しているとはいえない状況です。出店の余地はまだまだあります。国内モスバーガーの店舗数は16年6月末時点で1,368店舗です。一方、マクドナルドは16年6月末時点で2,917店舗です。2倍以上の開きがあります。1等地と2等地の違いがあるとはいえ、2等地での出店の余地はまだまだあると考えられます。店舗数が約160しかないフレッシュネスバーガーであればなおさらです。

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