じっと見守る親であれ。子供を「指示待ち人間」にしない育て方

 

4 生活力の育成

生活のための技術や知恵を習得させてあげること。基本的には日常の暮らしのあれこれを自分でできるようになることが目的です。トイレ・着替え・歯みがきに始まって、大きくなれば料理や掃除などの家事の経験も持たせてあげたいですね。

教えるタイミングとしては、本人が興味を持った時。「やるー」と言った時がやらせ時です。ただ、その時すぐに習得まで進むわけではないので、気長に構えて、あまり追い掛け回さないように意識しましょう。

個人的にはもう少し欲があって、「ちょっとしたものであれば自分で作ったり、改造したり、修理したりできる手先の技能とマインドを持てるようにしてあげたい」とも思っているので、我が家ではそういった活動もしています(近所の工務店で不要木材をもらってきて鋸でメチャクチャに切って「ジグソーパズル」、もう1枚の板材には割り箸をボンドで貼り付けて「ビー玉迷路」、通販の棚を改造して「子どもが自分のものを片付ける場所」などなど…)。

5 社会性の育成

他者・社会と共存していくためのルールや思いやりの技術を教えてあげること。一般的に躾と呼ばれるものは、このルールに当たることが多いでしょうか。

また、ここで思いやりの「心」ではなく「技術」と書いていることには理由があります。「心」は誰でも元々持っているので親が教え込もうとする必要はなく、逆に「技術」は教わらなければ手に入らず、せっかくの「心」が活かせないから。つまり、「困っている人がいたら助けましょう」と説くのではなく、

  • 「世の中にはどのようなことで困っている人がいるのか」の知識
  • 「困っている人に気がつく・見つける」ための方法
  • 「どうすれば相手が助かるか」の具体策と実践法

を教えてあげる。「人の嫌がることはやめましょう」と説くのではなく、

  • 「世の中では、どんな行為が嫌がられることが多いのか」の知識
  • 「お互いにいやなことを伝えたり、確認したりする」ためのコミュニケーション
  • 「相手に嫌な思いをさせず、かつ自分のやりたいこともできる方法を見つける」ための思考スキル

を教えてあげる。これも、親が教え込もうとしてしまうとうまくいかないものです。親自身が「子どもに伝えたいと思うことを自分で実践し続け(独り言のフリをして説明を少々入れるくらいはOKです)、子どもが見て学ぶのを待つ、との意識で取り組むしかありません。

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