ソ連崩壊を予言した学者が語る「トランプが大統領に選ばれた訳」

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先日掲載の記事「ソ連崩壊、アメリカ没落を予言した学者が占うトランプとEUの未来」の中で、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』著者・北野幸伯さんが紹介された「予言を的中させる学者」こと、エマニュエル・トッド氏を覚えておいででしょうか? 今回はトランプ当選についての同氏の意見が紹介されていますが、それによると「トランプ当選はある意味当然であり、アメリカが現実に立ち戻るための第一歩である」と、肯定的な見方を示しているようです。

予言者エマニュエル・トッド、トランプ勝利を語る

皆さん、エマニュエル・トッドさんをご存知でしょうか? フランス人の歴史人口学者、家族人類学者です。まじめな学者さんですが、「予言があたる」ことでよく知られています。

なんと1976年時点で、ソ連崩壊を予測した。(実際の崩壊は1991年)2002年時点で、アメリカの没落を予測した。その後もピタリ、ピタリと大きな流れに関する予測があたるので、世界中の人が彼の言動に注目しています。

そんなトッドさん。トランプさんについて、どう考えているのでしょうか?

トランプ勝利は当然

トッドさんは、もちろん霊能力者でも予言者でもありません。それで、「トランプが勝つ!」とは断言しませんでした。朝日新聞デジタル11月17日から。

今年夏、米国に滞在しました。そして10月初め、日本での講演で「トランプ氏とクリントン氏の勝率は半々だ」と言いました。彼の当選を予言したというより、可能性を指摘したわけです。

しかし、トッドさんは、「学者の立場からみると、トランプの勝利は当然だ」といいます。なぜ???

歴史家として見るなら、起きたのは当然のことです。ここ15年間、米国人の生活水準が下がり、白人の45歳から54歳の層の死亡率が上がりました。で、白人は有権者の4分の3です。
(同上)

アメリカでは、白人45歳から54歳の死亡率が上がっている! なぜ????

自由貿易と移民が、世界中の働き手を競争に放り込み、不平等と停滞をもたらした、と人々は理解し、その二つを問題にする候補を選んだ。有権者は理にかなったふるまいをしたのです。
(同上)

問題は、「自由貿易移民」だと。イギリスも移民に嫌気がさして、EU離脱を決めた。政府関係者の方は、よく知っておいて欲しいと思います。「自由貿易」と「移民」です。

特に移民については、「移民じゃない労働者だ」などと詭弁を使ってどんどん入れています。欧州も、はじめは「移民じゃない労働者だ」と言って入れていた。それがそのまま定住してしまった。

10年前から書いていますが、私は「日本人が嫌がる仕事は貧しい国の人にやらせればいいや!」という、「差別的3K移民に反対しています。(もちろん、3K移民大量流入で、日本人の賃金が下がり失業が増えるという理由も、とても大きいです)。

欧米では既に、「問題が多すぎるから制限しよう!」と流れが変わっている。それなのに日本では、「欧米もやってるから、日本もやらなければ」などと言っている。愚かです。

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