中国が「韓流ドラマ」を完全追放。朴槿恵政権に無慈悲なトドメ

 

中国がこのように厳しい対韓姿勢に転じたのは、今年の7月に韓国政府が在韓米軍のTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)配備を認める決定をしたからです。これに中国は怒り心頭で、さまざまな圧力を韓国に対してかけてきました。今月16日には韓国国防省がTHAAD配備を急ぐと発表したことを受けさらに態度を硬化させた形になります。

すでに中国国内で放送されるドラマで、韓国人俳優の出てくるシーンが全面削除されたり、韓流スターを起用した広告が中国人モデルに差し替えられたりということが行われているそうです。

もちろんこれは、韓国芸能界だけの問題ではありません。観光資源に乏しい韓国は、韓流ドラマを通じて、観光客をロケ地に誘致することも行なってきました。日本でも、「冬ソナ」がブームになったことで、ロケ地を訪れる日本人観光客が飛躍的に増えたことがありました。「限韓令」は観光業にも大きな影響を与えることは間違いありません。

中国は芸術でもスポーツでも「すべてが政治ですからこうした圧力は当たり前のようにやってきます。日本でも「政治と文化は別」「政治とスポーツは別」などとよく言われいますが、当の中国はそうは思っていないのですから仕方ありません。そこに中国との文化交流やスポーツ親善の難しさがあります。

当然ながら、中国が「限韓令」を出した背景には、遠交近攻という国策も関係しています。とかく近くの国とは仲良くならず、攻めて支配下に入れたほうが管理がしやすいという孫子の兵法でもあります。

もちろん、中国の民族蔑視も大いに関係があります。中国人が外夷としてもっとも軽んじてきたのが韓人と越人でした。張作霖は満州を支配していた時代に「朝鮮人は一人も満州に入らせない」と豪語していました。

韓人対漢人の最大の民族対立として知られる事件は、1931年に起きた「万宝山事件」です。これは吉林省の万宝山で、朝鮮人の移住農民と漢人農民が、水路を巡って争った事件です。漢人農民は、朝鮮農民の子供を捕まえて指を切り落として農事をさせないようにするといった蛮行に及びました。これにより、朝鮮半島全域で反シナ人運動、シナ人排斥運動が巻き起こりました。戦後は、この朝鮮人の反シナ人感情は、日帝がそそのかしたものだと伝えられていますが、それは違います。

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