しかし、だ。やっぱりこのレベルの作品をアニメでしか出来ない、実写では出来ない、ということに今の日本映画界の限界、レベルの低さ、衰退、落ち日などを痛感せざるを得ない。小津や木下、中村登なら10年かけてでもCGや特殊効果なしで実写映画で出来たはずである。かつてはそれだけ素晴らしいレベルが日本映画界にはあった。が、今ではどれだけ資金を積んでも出来るかどうか、といった感じである。
日本映画界と書いたのは、アメリカ映画、イギリス映画、フランス映画、イタリア映画、韓国映画、中国映画、デンマーク映画、イラン映画ならアニメ映画『この世界の片隅に』を実写で出来た可能性が高い。つまり、それだけ日本映画のレベルは低くなっている。漫画原作や似たような俳優・女優の主演映画ばかりやっているツケである。「いや、そうではない」とボクも言いたいが、『この世界の片隅に』程度のレベルで泣いてしまうというのは、それだけ映画を観ていない証拠でもある。もっともっと映画を観ろ、である。
それと、やっぱり水道橋博士と町山智浩、ライムスター宇多丸の影響力も問題あり。いい加減に彼らの時代に引導を渡したいが、こちとらまだまだ勉強中だから、しばらく続くかな。
小川修司
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