中国の今の税収制度下では、間接税(消費税)などの主な税収は全部中央政府に持っていかれるから、地方政府が税収を大幅に増やすには、主要な税収源となる地方企業の法人税や営業税に目を付ける以外にない。つまり今後、中央から「応急処置」を厳命された各地方政府は一斉に、なりふり構わないやり方で民間企業を「搾りの対象」にしていくこととなるだろう。
当然、経済衰退に苦しんでいる多くの中小企業は、さらなる苦境に立たされる。その結果、中国経済のより一層の地盤沈下を招きかねない。まさに、悪循環のアリ地獄であろう。
こうした中では、各地方政府が、今までは、さまざまな優遇政策をもって誘致してきた外資企業をも魅力的な「税収源」と見なすこともあろう。現地の日系企業は気をつけねばならない。
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『石平(せきへい)のチャイナウォッチ』
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