「Android Pay」は本当に妥協の産物なのか? スマホ専門家が分析

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アップル社がiPhoneに搭載したWalletサービス「Apple Pay」から遅れること数ヶ月、12月13日に日本でサービスが開始となった、グーグルの「Android Pay」。今ひとつ話題性に欠ける印象ですが、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、この「Andorid Pay」について解説しています。現時点の「Android Pay」は「サービス内容が本当にしょぼい」と酷評しながらも、技術的な背景を見るとまだ一発逆転があるかもしれない、と分析しています。

グーグル「Android Pay」が日本上陸。楽天Edyのみの対応は「妥協の産物」なのか

グーグルのWalletサービス「Android Pay」が12月13日、日本でもサービスを開始した。アップル「Apple Pay」は、サービス開始こそひっそり始まったものの、その後、メディアが一斉に飛びつき、大盛り上がりを見せた。

しかし、Android Payはたいした注目を浴びることなく、早くも忘れ去られそうな雰囲気もある。

実際のところ、サービス内容が本当にしょぼい。使えるサービスは「楽天Edy」のみ。しかも、使える端末は「おサイフケータイ対応Android」となっている。つまり、おサイフケータイ対応Androidを持っていれば、従来の楽天Edyが使えるわけで、あえてAndroid Payを使う意味が見いだせない。キャンペーンで利用を開始すれば400円分がチャージされるようだが、それをもらって、「お役目ごめん」といった感が強いのだ。

日本でWalletサービスを提供しようと思えば、やはりFeliCa対応は避けられないだろう。いまさらNFCでサービスを展開したところで、使える場所が限定的であれば、利用が広がることはない。

日本ではFeliCaを使うという決断は正しいが、楽天Edyだけでなく、できればApplePayに乗り遅れたnanacoやwaonといったプリペイド系アプリを揃えるといった努力は必要だったように思える。とはいえ、いずれもすでにおサイフケータイ対応Androidで使えるだけに、たいしたインパクトにはならないだろう。

一般的に見れば「今回のAndroid Payにおける日本展開は妥協の産物か」ともいえそうだが、技術的には背後で様々な準備が進んでいると思われる。

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