「Android Pay」は本当に妥協の産物なのか? スマホ専門家が分析

 

実際、Android 7.0からは「HCE-F」に正式に対応している。これは、セキュアエレメントというセキュリティ専用チップを使わずに、スマホのプロセッサーとクラウドによって、NFCしか対応しないスマホであっても、FeliCaを使えるようにしてしまおうという技術だ。これにより、海外のスマホであっても、日本国内でFeliCaが使えるようになる、と言われている。

今回、なぜか、HCE-F対応の話は出なかったのだが、将来的には、SIMフリースマホであっても、NFC対応であれば、HCE-Fによって、日本国内でFelicaが使えるようになる可能性もありそうだ。そうすれば、日本国内で流通している「おサイフケータイ対応Android」でなくても、FeliCaが使えるようになる。例えば、いま人気のファーウェイ・P9やMate9あたりでも、FeliCaが使えれば、相当、インパクトは大きそうだ。

果たして、今回のAndroid Pay開始は、HCE-Fを睨んだものなのか、それとも実現は難しいものなのか。HCE-Fがなければ、Android Payは生き残っていけないように思えるのだが。

image by: Shutterstock

 

石川温の「スマホ業界新聞」』 より一部抜粋

著者/石川 温(ケータイ/スマートフォンジャーナリスト)
日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。
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