SONYの元「耳型職人」が開発。20万円のイヤホンがバカ売れする理由

 

具体的な取り組みとしては、最高のモノを作るといった場合、素材や技術などにとことんこだわって作ることがセオリーですので、「Just ear」もセオリー通り、素材にもこだわっていますし、耳の専門家や熟練のマイスターのこだわりの技術に支えられています。

そして、「Just ear」は、ひとりひとりの耳の形に合わせるだけでなく、一人ひとりの好みの音質に調整する形で、個別ニーズに徹底的に応えています。まさに、最高品質を追求しながら、個別ニーズに応えているといえるでしょう。

また、顧客にとって求める音質、つまり、顧客にとっての最高の音質は顧客ごとに異なるわけですから、メーカーが最高の素材、最高の技術のもとで最高のものを作ったとしても、ひとりよがりになる可能性は十分にあります。

特に開発者の情熱や想いが強ければ強いほど、ひとりよがりに陥りがちです。「Just ear」の開発責任者である松尾伴大氏からは非常に情熱を感じられるものの、最高のモノに対する考え方にブレがないからこそ、顧客の求める最高の音質を実現するために、最高の素材や技術を活用しているわけです。

ここが、今回の学びのポイントになりますが、上記のことからわかるように、重要なことは、「Just ear」が最高品質を追求しながらも、あくまでも「最高の答えは、顧客が持っているということを理解しているということです。これが、顧客から圧倒的な支持を得ている要因のひとつといえるでしょう。

ちなみに、同じように最高品質であることと個別ニーズに応えることを実現している企業として、まず思い浮かぶのがリッツカールトンホテルです。リッツカールトンホテルは、最高品質のサービスを提供することはもちろん、顧客の個々のニーズを満たすことで、顧客から圧倒的な支持を得ていることで有名です。

今後、ソニーエンジニアリングから、どのような商品がリリースされるのか、楽しみにしています。

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