章立てはうまい。
「雑談」できない人が増えている/雑談上手になるなら「ベテラン女子」に学べ/雑談マスターになるための心得/あなたの「ダメ雑談」をこう変えよう!/ほかにもまだある、雑談マスターの隠しワザ/「困ったときはこう切り抜けろ!
……キーワードは「ベテラン女子」である。何者? 達人の域にいる「雑談マスター」であるという。気さくで朗かで感じがいい中年女性で、厚かましさや押しつけがましさというオバチャンの負のイメージを取り去った感じ、らしい(いいな。雑談うんぬん以前にいいな)。彼女をお手本にすれば、雑談のスキルが身につきますよ、というお話らしい。なぜベテラン女子がいいのか。上下関係を気にしない、すぐに盛り上がれる、共感力が高い、心優しい、からであるという。本当にステキな存在だ。
彼女の特徴をまとめると「つながる力」と言える、ってのは陳腐化した表現ではないか。ところが「ベテラン女子」とは筆者の抱く理想の雑談名人のイメージに過ぎず、登場するのは前半だけで、後半は普通に雑談ノウハウを語っている。それはなかなか役立つお話だが、どこへ行ったの、ベテラン女子~。いつまでも、誰とでも、気軽に話せる力は、確かに鍛えなければ得られない。「おおらかさと節度を兼ね備え、リラックスして話し、くつろいだ気持ちで相手に話をさせることができる人、それが『大人の雑談力』を備えた人たちなのです」というが、わたしはまったくその境地に達していない。まあいいか。
編集長 柴田忠男
image by: Shutterstock
ページ: 1 2