ラルフローレンが大規模リストラ。高級アパレルはもう時代遅れか?

 

ファストファッションの台頭はラルフローレンの競合になったのか?

ラルフローレンは、アメリカン・トラディショナルの高級スーツやポロシャツなどがアイコンとなり、消費者を魅了してきたファッションブランドの代表的存在です。

が、今アメリカでファッションに興味のあるミレニアル世代(1980年代後半から2000年代前後生まれ、人口約8000万人で最大)は、常に何物にも束縛されず自由に自己表現をしたい(スマホがあれば全てができる)世代であり、アメリカン・トラディショナルのコーディネートのルール(レジメンタルタイをしめるなど、かっこよさでもあるが)は窮屈でダサいものと感じているようです。

感度の高い若者層(コーディネートを自己表現のツールととらえる)は、一例を挙げるとJクルーが展開している「リカーストア酒場を店舗として演出)(後述)」のようなお店で買い物することを好みます。

ラルフローレンの業績が悪化したのは、同社がファストファッションを競合と認識し、ラルフローレンの商品をコモディティー化(価格や買いやすさだけを理由に選択されること)すればファストファッションに対抗できるのではと勘違いしてしまい、結果、同社の店舗(売り方)にはラルフローレン・ブランドだけが持つライフスタイルが注入されず、ラルフローレンの訴求するかっこよさが消費者に伝わらなかったからです。

ファストファッションの台頭とは、消費者が目まぐるしく変わるファッショントレンドに嫌気がさしつつも、流行をコスパよく買えるのはファストファッションしか選択肢がないという単なる現象で、この真実をラルフローレンが理解していれば、同社の事業再編は最大の効果を発揮できたと考えられるのです。

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