【書評】尖閣・漁船体当たり事件を「予言」した日本人アナリスト

 

「日本の自立」は、『私の自立』からはじまる

日本情報ピラミッドのひな形はすでにある。それは「日本はソ連や中共の全体主義の防波堤として戦ってきた」という史観である。これはアメリカ共和党陣営の中で脈々と伝えられている「第2次大戦でアメリカは戦う相手を間違えた」という史観に通ずる。

現在の「アメリカ情報ピラミッド」は民主党系のマスコミが握っているので主流にはなっていないが、第2次大戦中の資料の公開が進み、次第にこの史観が力を得ている。

すでに弊誌で何回か紹介したが、そのあらましを述べれば、

1.ルーズベルト政権内にソ連スパイが多数潜入しており、ハル・ノートなどで日本に無理矢理、開戦させるように仕向けた(日本側でも、尾崎秀實らソ連スパイが日本と蒋介石を戦わせるよう世論工作をしていた)。

2.日本敗北後も、米政府の中に、蒋介石の足を引っ張り、中国大陸が中国共産党の手に落ちるにを助けた人物がいた。

3.ソ連・中共は朝鮮半島全域の共産化を狙って朝鮮戦争を引き起こしたが、防波堤だった日本を破ってしまった事により、アメリカは直接、戦わねばならなくなった。

この史観から見れば、現在も日米同盟が中国に対する「防波堤」となっていることが容易に見てとれる。この史観を、日本国民が自らの頭でしっかりと理解・納得していく事ができれば、現代日本を欺いている中共やアメリカの情報ピラミッドから自立できる。

「日本の自立」は、『私の自立』からはじまる。

北野氏は、これがこの本を書いた理由だと語っているが、まさに同感である。

文責:伊勢雅臣

image by: Shutterstock

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【著者】 伊勢雅臣 【発行周期】 週刊

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