日本語に欠かせないオノマトペ、実は古事記にも登場していた

 

オノマトペ、記録の残るところ、表記は漢字だが古事記や万葉集の時代からあるようである。 「古事記」(712年)に。神さま(イザナギ・イザナミ)が日本列島をこしらえるため、塩に矛をさしてかき混ぜるときに「こをろこをろ」と音を立てる。現代で言えば「カラカラに近い音とか。

古い時代に使われたオノマトペで現代では使われていないものも多い。また流行語のように次ぎから次ぎと新しいオノマトペが生まれている。近代現代、特定の人が言ったり書いたりしたことから、当節はテレビやコミックから広まったものも多い。また俳句や短歌に登場することも。

例えば、文学・芸能人が創始(?)した例が、『オノマトピア』(桜井順著・岩波現代文庫)に紹介されている。良く知られ使われているものをいくつか。

  • 大橋巨泉:ボインボイン
  • 岡本かの子:ざっくり
  • 小田実:チョボチョボ
  • 葛原しげる:ぎんぎんぎらぎら
  • 坂口安吾:ジロリ
  • 林真理子:ルンルン
  • 水木しげる:ゲゲゲ

但し、これはほんの一例。

オノマトペと言えば、私は宮澤賢治の風の又三郎」の冒頭の部分、「どっどどどどうど どどうど どどう青いくるみも吹きとばせ すっぱいかりんも吹きとばせ どっどど どどうど どどうど どどう」のフレーズを思い起こすが、風の又三郎だけでなく彼の全作品の中で、実にたくさんのオノマトペが効果的に使われているようだ。

先述の『オノマトピア』のまえがきに出ているのだが――、「ピッカピカの一年生」。CMのコピーだろうか。一年生坊主のゲンキ、シアワセ、ハシャギぶりを、ボーシ、カバン、ヒトミの輝きをピッカピッカを使わずに、これだけイキイキ、あなた表現できますか? というわけである。ほかのどんなコトバを持って来ても、ピッカピカにはかなわないだろうと…。

日本は世界に冠たるオノマトペ大国だというようなことをどこかで読んだことがある。オノマトペについてますます興味が湧くところである。

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『安曇野(あづみの)通信』

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