今回、もしもアメリカに北朝鮮を攻撃されれば、中国の面目は丸つぶれとなります。習近平にとっては、それは最悪のシナリオです。
すでに中国は突発事態に備えて、中朝国境に15万の兵力を結集させているという話もあります。はたして中国はアメリカの北朝鮮攻撃を阻止するのか、あるいは自ら北朝鮮に乗り込んで金正恩政権を倒そうとしている可能性もあります。
かつて清朝は李氏朝鮮の興宣大院君が壬午軍乱というクーデターを起こした際、朝鮮に攻め入って、大院君を拉致して天津で幽閉したことがありました。同じようなことをやろうと考えている可能性もあります。
世界のメディアなどでは、金日成の生誕105周年である4月15日に北朝鮮が6度目の核実験をするのではないかと目されています。
そしてアメリカの空母カールビンソンはまさにこの4月15日ごろに朝鮮半島周辺に到着する見通しとなっています。
もしも北朝鮮が核実験やミサイル発射を強行した場合、中国はもはや北朝鮮を擁護することはできなくなるでしょう。張成沢の処刑以来、中国と北朝鮮とのパイプは極度に細っており、中国としても我慢の限界を超えることになるでしょう。
このメルマガでも以前に報じましたが、金正日以来、北朝鮮の核実験やミサイル発射は、中国を牽制する意味があり、北朝鮮では中国こそ最大の敵として見なしているのです。
アメリカの行動は習近平にとっては、まさしく「悪夢」になるでしょう。すべてが中国国内の権力闘争の行方にかかわります。せっかく「核心」と呼ばれるようになったにもかかわらず、習近平の権力完全掌握を阻止する動きが活発化する可能性が高くなるからです。習近平の命綱は、アメリカの北朝鮮への動向にかかっているといっても過言ではありません。