無実の人が嘘の通報の対象にされ、そのまま冤罪(えんざい)をかぶせられたら一巻の終わりだが、後になって疑いが晴れたとしても、当局の取り調べを受けただけで、現地での仕事と生活に大きな支障が生じてくるのは間違いない。
それでは、日本人を含めた外国人たちは一体どう対処すべきか。おそらく唯一にして最善の対処法はできるだけ中国に、最低限、北京には近づかないことであろう。少なくとも私自身、前述の反スパイ法が制定されて以降、かの国の地に一切足を踏み入れないことを決めている。
「危邦に入らず」というのは、他ならぬ中国最大の聖人である孔子様からの大事な教えだったのである。
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