無かったら作ればいい。日本人ものづくり精神で解決する
電池の交換とちょっとしたクリーニングで動作させることには成功しましたが、やはりこちらも電池カバーが無く、遊ぶたびに『オクトパス』から電池カバーを拝借せねばなりません。それは面倒くさい。……無かったら作ればいいのです! 日本人ならではのものづくり精神で、電池カバーを補います。
こういった小さなパーツの複製には3Dプリンターが有効です。しかし、そんなたいそうな物を用意せずとも100円ショップの、お湯で柔らかくなる粘土(「おゆまる」という製品名のものもあります)と、「UVレジン」でよいでしょう。
おゆまるを柔らかくして電池カバーを押し付けて型を取ります。その後、UVレジンを流し込み、硬化させればOK。太陽光でも時間をかければ硬化します。
硬化したパーツを取り出したら、ヤスリで形状を整えれば完成です。スケルトンモデルっぽくなりました。これで電池カバーを移植せずとも遊ぶことができます。
ゲーム&ウォッチに時計機能を持たせたのは、「ゲームを遊ばない大人でも手に取りやすくするため」という話もありますが、今ではゲームを遊ぶ大人が当たり前になりました。
それは、当時子どもだった我々が、こうした「ゲーム&ウォッチ」や「ファミコン」や「ゲームボーイ」といったゲーム機に触れ、ゲームという体験がただの暇つぶし以上の存在であるということに気が付き、愛してきた結果だといえるでしょう。「遊び」も「学び」も「友だち」も。大切なものは全てゲームから教わったのです。
そんなゲーム人たちを育て、近年まで続くゲーム文化の礎たる「ゲーム&ウォッチ」。昔持っていた! という方も多いことでしょう。ぜひ、実家の物置や子どもの頃使っていた机の引き出しを探してみましょう。現在では保存状態の良い個体はなかなかお目にかかれないとは思いますが、構造がシンプルなのでちょっと手入れすれば直る可能性もあります。
そして、近いうちに再び『オクトパス』ブーム!……は、来ないとは思いますが、今遊んでも意外と楽しめます。