中国の宅配業界が、別の意味で多くの問題を抱えている

shutterstock_300342245
 

最近、巷で話題となっている宅配業者の人手不足。アマゾンなどのネット通販の利用が拡大したことにより、日本の物流大手ヤマト運輸が昼間の一部時間帯の配達指定を中止すると発表したのは記憶に新しいところです。たった人口1億人強の日本ですらこの状況で、13億人以上の人口を抱えるお隣・中国のEC市場ではどのような問題が起きているのでしょうか? メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、日本、台湾、中国それぞれのネット通販の現状と問題点を詳しく分析しています。

【日本・台湾・中国】いくらネット通販が発達しても中国は無理

● さらば楽天、自前サイトで勝負  厳格ルールから解放・陳列見やすく

ネット通販が日常化している今、まさに揺り籠から墓場までネットで買い物ができるようになりました。リアル店舗には進出できなくても、ネットショップなら開店できるという人も多いでしょう。

まさに需要と供給の双方がバランスよく増加して、利用者の利便性も高まりました。そんな状況下で、日本では物流の問題が起こっています。物流大手のヤマト運輸は、ネットショップの拡大によって宅配便の個数が激増している上に、時間指定、再配達などに対応しなければならず、現場の人手不足は深刻で、いくら残業してもさばききれないと悲鳴をあげています。

そうした問題を解決するためにヤマト運輸が出した結論は、一部のサービスは時間指定を受けないことと、宅配料の値上げです。ネットショップの流れは誰も止めることはできません。社会のインフラが、そうした状況に合わせて変化するしかないのです。

そして、ネットショップ時代は第二段階を迎えています。上記のニュースにあるように、これまで多くのショップは楽天やアマゾンなどのEC(大手電子商取引)モールに出店するのが通例だった状況から、独自のサイトで出店するケースが増えてきているというのです。

大手のモールでは、サイトのページはモールに合わせたデザインを採用しなければならない、メールのやりとりの数にも制限があるなど、様々な制約があります。また、テナント料はもちろん、モール内で自社商品が埋もれてしまわないように広告を打つ必要あり、そうした費用も経営を圧迫します。それならばと、モールを飛び出し自社サイトで勝負する企業が増えているようですこれだけネットショッピングが定着してきた今だからこそできることです。

また、越境ECとして、国境を越えてネットショップを展開するケースも多くあります。この際、進出する国でのネットインフラや物流が整備されているかどうかがカギになります。そういう意味で進出しやすい国のひとつとして挙げられているのが台湾です。

print
いま読まれてます

  • 中国の宅配業界が、別の意味で多くの問題を抱えている
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け